みつひでwayfinder in ラヴニカのギルド
環境、激変。
カラデシュ+アモンケットブロックのカードがかなり強かったため、昨年のローテーションでは「ゆうて環境変わってもティムールエネルギーとラムナプレッドが強いんでしょ」という感じで現実にもその通りでそんなに環境が大きく変わった感じはなかったんですが、今回は違います。
強力なカラデシュ+アモンケットブロックのカードがごっそり落ちるのに対し、残るイクサランブロック+ドミナリア+M19のカードたちはそこまで強くない、というかぶっちゃけてしまうとドミナリア以外の3つはどれも弱セット。そして新たに加わるラヴニカのギルドは多色セットで強力なマルチカラーのカードたちが目白押し。全く新しいスタンダード環境の幕開けです!
というわけで、最近新セットが出るたびにやっているように今回も新スタンダードのデッキを紹介していきます。
ジェスカイコントロール
4《曲がりくねる川/Meandering River》
4《蒸気孔/Steam Vents》
4《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4《氷河の城砦/Glacial Fortress》
2《硫黄の滝/Sulfur Falls》
2《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
2《島/Island》
2《平地/Plains》
1《山/Mountain》
1《廃墟の地/Field of Ruin》
4《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
2《希望の夜明け/Dawn of Hope》
2《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
3《薬術師の眼識/Chemister's Insight》
2《中略/Syncopate》
2《本質の散乱/Essence Scatter》
1《否認/Negate》
4《悪意ある妨害/Sinister Sabotage》
2《一瞬/Blink of an Eye》
3《稲妻の一撃/Lightning Strike》
2《裁きの一撃/Justice Strike》
2《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》
3《残骸の漂着/Settle the Wreckage》
2《浄化の輝き/Cleansing Nova》
まずは本命その1、ジェスカイコントロール。
《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》が《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》を始めとした相棒たちを失った今、明らかにスタンダードのベストカードは《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》です。ラヴニカのギルドの新カードを見渡してもテフェリーほどのパワーカードはないように思えます。
青白のギルドランドがまだないというのは青白系コントロールにとっては辛いところですが、コントロールは確定タップインの痛手が比較的少ないため《曲がりくねる川/Meandering River》による代用も許容できます。
そして、青白2色でまとめるか色を足すかですが、青白2色でまとめてしまうと新ラブルマスターこと《軍勢の戦親分/Legion Warboss》が着地してしまったときに1枚で負けてしまうため色を足さざるをえないですね。
デッキリストを見て皆さんが「何それ??」と思うのが《希望の夜明け/Dawn of Hope》でしょう。おそらくこのカードに注目している人は相当少ないのではないかと思いますが、これはコントロールのフィニッシャーに求められるものの多くを持っています。相手の余った除去に引っかからず、ライフ回復ができ、カードを引け、時間が経つごとに無限に自分を有利にしてくれます。そしてコントロール同系では実質2キルを実現してくれます。うっかり相手の《軍団の上陸/Legion's Landing》の変身を許してしまったとしてもこれが設置できていれば負けません。
2ターン目に設置して4ターン目に起動するような展開を想像してしまうとテンポが悪く弱いカードですが、コントロールが捌き切ったあとの蓋として考えると極めて強力なカードです。
ボロス教導
4《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
8《平地/Plains》
6《山/Mountain》
1《ギルド魔道士の広場/Guildmages' Forum》
4《錆色翼の隼/Rustwing Falcon》
4《アダントの先兵/Adanto Vanguard》
4《ボロスの挑戦者/Boros Challenger》
3《サンホームの重鎮/Sunhome Stalwart》
4《軍勢の戦親分/Legion Warboss》
2《軍勢の切先、タージク/Tajic, Legion's Edge》
4《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》
1《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》
1《暴君への敵対者、アジャニ/Ajani, Adversary of Tyrants》
3《ショック/Shock》
2《稲妻の一撃/Lightning Strike》
2《溶岩コイル/Lava Coil》
2《裁きの一撃/Justice Strike》
1《苦悩火/Banefire》
次に紹介するのが本命その2、ボロス教導。
誰もがとりあえず組んでみるであろうわかりやすいデッキですが、実はあまり素直に組みすぎると落とし穴にハマります。ボロス教導って、
①そこまで初速が速いわけではなく
②火力による押し込みも弱く
③《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》や《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》のような強力なPW、置物も存在せず
④ミシュランや《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins》のような土地が存在せず土地にバリューがなく
⑤リソースを増やすことができない
という特徴を持つデッキなんですよね。つまり、フラッドを受けれずコントロールに弱い。サイドボードに《強迫/Duress》や《否認/Negate》を取れないカラーでサイド後劇的に対コントロール勝率を改善させる見込みもないためこれは由々しき問題です。
上のリストではこの問題に対し、メイン《アダントの先兵/Adanto Vanguard》4積みと《暴君への敵対者、アジャニ/Ajani, Adversary of Tyrants》《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》《苦悩火/Banefire》それぞれ1積みによって改善を試みています。
上で書いたように青白系コントロールは《軍勢の戦親分/Legion Warboss》のことを考えるとジェスカイにせざるをえません。よって、2マナの除去は火力が担うことになり《封じ込め/Seal Away》の採用率は低いものになるでしょう。そうなると《アダントの先兵/Adanto Vanguard》は対コントロールでは1枚に《残骸の漂着/Settle the Wreckage》を切らせることができるウルトラクリティカルなカードとなります。《アダントの先兵/Adanto Vanguard》で殴って《苦悩火/Banefire》でフィニッシュ、というのがボロスが用意できる最高の対コントロールのプランです。
もちろん上のリストはまだまだ荒いものです。例えば除去をどんなバランスで採用するかというのは悩ましいところです。そしてそれ以上に悩ましいのは1マナ域をどうするかという問題です。
上のリストでは《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》を意識して《錆色翼の隼/Rustwing Falcon》のみの採用となっていますが、教導を活かす上では1ターン目に展開できるか否かは大きな差となるのでもう少し1マナ域にスロットを割いてもいいのかもしれません。それと、《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》を意識しないのであればカードパワーが最も高いのは《ゴブリンの旗持ち/Goblin Banneret》ですし。まあ飛行のほうが教導で育てたときのバリューが高いんですけど。
以下単体カード評価。
《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》はラヴニカのギルドの神話レアの中で最もパワフルなカードです。このカードは、
①出たそのターンに仕事をする。単に打点が2上がるだけでなく本来機能しないはずの教導が機能するようになることで盤面の強化にも寄与する。
②タフネス5でケツデカなので《溶岩コイル/Lava Coil》《裁きの一撃/Justice Strike》が効かず赤除去に耐性がある。《喪心/Cast Down》も効かずメインボードでこれを除去できるのは《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》と3マナ以上のカードだけ。
③いったん場に残ると教導によりどんどん盤面を有利にしていける。警戒を持つため攻防に渡り戦闘を支配できる。
というわけで、即効性、除去耐性、生き残ったときの支配力のすべてを兼ね備えています。
いろいろと弱点に言及しつつもボロスがジェスカイコントロールに次ぐ本命デッキと位置付けているのは要するにオレリアがメチャクチャに強いカードだからです。
実はこのカードのことは最初あまり高く評価していませんでした。新ラブルマスターとか言われていますが、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》と違ってこいつは殴るとき本人は常に2/2です。サイズ負けしたときに殴りに行けずもじもじしちゃうのはアカンやろと。
確かに単体のカードパワーでいったらこいつはラブルマスターには及ばないかもしれません。しかし、周辺のカードの都合よさのおかげでこいつはかなりできるカードでした。
つまり、2ターン目に教導生物を出しておくとトークンがいきなり2/2で殴れる。これは当時のラブルマスターにない強みです。
もしも2ターン目に教導生物を出してその後3ターン目4ターン目と《軍勢の戦親分/Legion Warboss》を展開した場合、4ターン目には5体のパワー2で殴れることになります。相手の序盤の動きが悪かった場合もうそれだけで勝ちです。
殴るとき常に2/2という欠点も《軍勢の切先、タージク/Tajic, Legion's Edge》や《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》でいくらかカバーでき、結論としてはボロス教導で使うこのカードはかなり強力なカードといえます。
一方《軍勢の切先、タージク/Tajic, Legion's Edge》はそこまで高い評価ではないです。能力がいっぱい付いてるしイラストもなんか金ピカでいかにも超強そうなんですが、実際のゲームではいい感じにブロッカーが立っていて殴りに行けないことも多いですし、仕事しても1回パワー3の教導として働いた上で相手の適当な2マナ生物と相討ちで終わりということが大半です。構築のデッキに採用できるくらいのカードパワーはもちろんありますが、ぶっちゃけ《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher》より少し弱いくらいのカードですね。《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》は伝説にも関わらず4枚積みたいくらいのパワーカードですがこいつはそれほどではないです。
教導を持つ生物がワンサイズ大きく出てくるとバリューが跳ね上がるため、色マナが許すならば1枚はデッキに入れておきたいカードです。《稲妻の一撃/Lightning Strike》を構えている相手に対して《ボロスの挑戦者/Boros Challenger》を3/4で出すなんてのは気持ちいいですね。
イゼットスペル
4《蒸気孔/Steam Vents》
4《硫黄の滝/Sulfur Falls》
6《島/Island》
6《山/Mountain》
4《奇怪なドレイク/Enigma Drake》
4《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》
1《パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parun》
3《イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy》
4《選択/Opt》
4《突破/Crash Through》
3《大将軍の憤怒/Warlord's Fury》
3《予期/Anticipate》
4《ショック/Shock》
4《稲妻の一撃/Lightning Strike》
4《溶岩コイル/Lava Coil》
2《標の稲妻/Beacon Bolt》
イゼットのスペルシナジーをしゃぶりつくすデッキです。
《奇怪なドレイク/Enigma Drake》は終盤には当然のようにパワー2桁のハードパンチャーになり、更に《突破/Crash Through》でトランプルを得て殴りかかりますし、《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》はいったんターンが返ってこようものならあっという間にトークンを大量生成し盤面を支配します。
上の構成ではこれでもかと除去を詰め込んでいるのでクリーチャーデッキにはほとんど負けないですね。赤除去に頼ったデッキでファッティには弱いように見せかけて《奇怪なドレイク/Enigma Drake》《標の稲妻/Beacon Bolt》《イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy》でファッティに対処できますし、トランプルがないなら《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》のトークンでチャンプし続けることもできます。
ちょっと対クリーチャーに寄せすぎているきらいがあるので実際には少量打ち消しが入ったりしそうですね。わりとメインで動くデッキなんでそんなに打ち消しは噛み合わないんですが。
《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》はアンコモンであることが不思議なほどに強いカードです。《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》についてタフネス5でケツデカなので赤除去に耐性があって強いということを書きましたが、これもまさにその強みを持つカードです。
同じデッキに入りそうな同じマナ域のカードに《弾けるドレイク/Crackling Drake》が存在しますが、《溶岩コイル/Lava Coil》1枚で処理されてしまうか否かというのが大きな差になるので《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》に軍配が上がります。生き残ったときの支配力も全く違うので、即座に黒除去が飛んでくるときくらいしか《弾けるドレイク/Crackling Drake》のほうが優れるタイミングはないといってしまっていいくらいですね。
対コントロールにおいても《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》は《残骸の漂着/Settle the Wreckage》で根本的な対処ができず《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》で戻されてもトークンがテフェリーを突破してしまうため頼りになります。
《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》について「ラヴニカのギルドで最もパワフルな神話レアだ」と書きましたが、全レアリティを含めた評価だと《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》がトップかもしれません。プロツアーの決勝卓に座ったプレイヤーがもりもりと鳥・イリュージョントークンを並べていたとしても全く驚きませんね。
《イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy》は《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》と比較されて「テフェリーと比べると微妙だな…」という評価を下されがちなカードですが、実はテフェリーと比べても優れた点がいくつかあります。
第一に掘る速度がテフェリーよりも速い。そんなにたくさん土地を引いても仕方がないこのようなデッキではこのメリットは計り知れません。
そして初期忠誠値がテフェリーよりも1高い。-3から入っても《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》で落とされませんし、奥義も1ターン早いです。更に、テフェリーはいったん-3してからもう一度-3を使うのに+1を2回使う必要がありますが、ラルは1回で済みます。この盤面に触れる速度の速さはゲームを左右する違いです。
自分の中での《イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy》の評価は「テフェリーよりも弱いカード」ではなく、「白を含まない純イゼットで使えるテフェリー並みに強いカード」です。
セレズニアオールイン
4《寺院の庭/Temple Garden》
4《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》
9《平地/Plains》
3《森/Forest》
4《空渡りの野心家/Skymarcher Aspirant》
4《錆色翼の隼/Rustwing Falcon》
4《ハズダーの司法官/Haazda Marshal》
4《協約の魂、イマーラ/Emmara, Soul of the Accord》
4《シッセイの後裔、シャナ/Shanna, Sisay's Legacy》
4《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》
4《軍団の上陸/Legion's Landing》
4《苗木の移牧/Saproling Migration》
4《征服者の誇り/Pride of Conquerors》
4《議事会の裁き/Conclave Tribunal》
セレズニアはミッドレンジで組もうとしてもガジーグレアのようなシステムもなければ《ゼンディカーの代弁者、ニッサ/Nissa, Voice of Zendikar》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》連打のようなPW作戦も取れず、ただそこそこ優秀な生物を順番に出していくようなしょっぱいデッキにしかなりませんでした。しかもそのそこそこ優秀な生物に関しても《議事会の騎兵/Conclave Cavalier》や《豊潤の声、シャライ/Shalai, Voice of Plenty》は《溶岩コイル/Lava Coil》で簡単に処理されてしまいそれほど頼りにならないという体たらく。
そして辿り着いた先はGTC期のナヤブリッツやSOI期の白単人間のようなオールイン系アグロです。
《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》はクリーチャーを5体並べれば全体強化付きの0マナ4/4という異常なスペック。同じターンに出す1マナクリーチャーが全部フリースペルになる上にワンサイズ上がると考えてもその異常さがわかります。それを3ターン目に叩きつけてやろうというのがこのデッキの狙いです。
弱いカードを多く使っているので噛み合わないとリミテッド以下のデッキになってしまう不安定さこそあるものの、ドブンのすごさはスタンダード離れしているので是非試しに回してみてほしいです。
ゴルガリミッドレンジ
4《ゴルガリのギルド門/Golgari Guildgate》
2《穢れた果樹園/Foul Orchard》
4《草むした墓/Overgrown Tomb》
4《森林の墓地/Woodland Cemetery》
11《森/Forest》
1《沼/Swamp》
4《茨の副官/Thorn Lieutenant》
4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》
4《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》
3《縄張り持ちのアロサウルス/Territorial Allosaurus》
4《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》
2《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》
2《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》
4《喪心/Cast Down》
4《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》
3《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》、抜く勇気。
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》を不採用とし確定タップインランドを多く採用することによって《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》と黒のダブルシンボルの同居を実現させたゴルガリミッドレンジです。テンポよく展開することは諦めて除去で干渉しつつ太いカードを連打していくイメージの、聞こえのいい表現をすればジャンドや黒信心の系譜のデッキです。
正直なところメインボードはややもっさりしたところがあり素晴らしいデッキという感じはしないんですが、サイドボードについてはゴルガリミッドレンジは素晴らしいです。
マナクリを不採用としているため《煤の儀式/Ritual of Soot》の採用も肯定できますし、《強迫/Duress》から《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》《ビビアン・リード/Vivien Reid》《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》といった強烈な置物を並べる対コントロール必勝プランも用意できます。対コントロールについては《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》でPWに触りやすいというのもゴルガリのいいところですね。
ちなみに《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》ですが、《スカラベの神/The Scarab God》や《栄光をもたらすもの/Glorybringer》のような支配力は全然なく、押されているときはただブロッカーとして突っ立っているだけという具合になりがちでそんなにたいしたカードではないんですが、《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》にサイズ勝ちできるフライヤーはそれだけで価値があります。
ゴルガリアグロ
4《草むした墓/Overgrown Tomb》
4《森林の墓地/Woodland Cemetery》
7《森/Forest》
7《沼/Swamp》
4《生皮収集家/Pelt Collector》
4《戦墓のグール/Diregraf Ghoul》
4《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》
4《光胞子のシャーマン/Glowspore Shaman》
4《クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner》
4《真夜中の死神/Midnight Reaper》
4《納骨堂のトロール/Charnel Troll》
4《無効皮のフェロックス/Nullhide Ferox》
2《感情化粧師/Moodmark Painter》
4《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》
こちらも《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》抜く勇気ゴルガリ。
《納骨堂のトロール/Charnel Troll》が《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》から2ターン目に出しても別に強くないため必然的にこうなるという感じですね。
1ターン目《生皮収集家/Pelt Collector》からのブン回りはいちいちクリーチャーが太すぎて最強やんという気分にさせてくれますが、平均的な回りのときは正直そんなに強くないデッキです。なんというか先制攻撃持ってるやつが出てくると《納骨堂のトロール/Charnel Troll》と《無効皮のフェロックス/Nullhide Ferox》以外全員止まる。
1ターン目に出るか否かで勝率が全然違う強すぎるほどに強い1マナ域です。《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》越えてるかも。
2ターン目に出すと構築のカードとしてはちょっと物足りないかなくらいの性能ですが、後々《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》や《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》といった除去れなきゃ死ぬカードへの対処手段となり便利です。
デッキの中心。よく《溶岩コイル/Lava Coil》や《裁きの一撃/Justice Strike》で簡単に除去られて中心を失います。
先手4ターン目に出るとマジで強いですがトランプルがないため出るのが遅れると普通にチャンプで凌がれる平凡なファッティに成り下がります。
イゼット鎖回し
4《イゼットのギルド門/Izzet Guildgate》
1《高地の湖/Highland Lake》
4《蒸気孔/Steam Vents》
4《硫黄の滝/Sulfur Falls》
12《山/Mountain》
1《島/Island》
4《団体のギルド魔道士/League Guildmage》
4《戦凧の匪賊/Warkite Marauder》
4《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》
4《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》
2《厄介なドラゴン/Demanding Dragon》
2《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》
2《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》
4《ショック/Shock》
4《稲妻の一撃/Lightning Strike》
4《溶岩コイル/Lava Coil》
これまでの赤黒の流れを汲み、サイドボードに《強迫/Duress》の代わりに《否認/Negate》《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》を採用できるよう2色目は青にした赤単系ミッドレンジです。《戦凧の匪賊/Warkite Marauder》からの《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》は超エキサイティング!!
と書いててアレなんですが、正直なところこのデッキはあまり良いデッキではありません。このデッキを使うなら少し重めに調整したボロスを使った方がいいでしょう。《輝かしい天使/Resplendent Angel》《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》の天使ラインを使ったりするのもいいと思いますよ。
それでもここで紹介するのは《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》の置かれた厳しい現実のついて書くためです。
まず第一に《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》がいなくなった。同じく4マナのPWとしては《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》がいますが、カーンは殴り合いのときに本当に何もしないのでメインに採用できる枚数は限られます。
そしてこちらのほうがより厳しいのですが、1~2マナの生物が軒並みいなくなってしまった。《ボーマットの急使/Bomat Courier》も《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》も《キランの真意号/Heart of Kiran》も《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ/Kari Zev, Skyship Raider》もみんないなくなってしまった。
赤の2マナ域の生物の候補はなかなかに悲惨です。《ヴィーアシーノの紅蓮術師/Viashino Pyromancer》はミッドレンジでは弱いですし、他のカードは《稲妻牝馬/Lightning Mare》《放逐紅蓮術師/Dismissive Pyromancer》《ゴブリンの扇動者/Goblin Instigator》《ゴブリンのクレーター掘り/Goblin Cratermaker》といったしょうもない奴ら。
仕方なく他の色で2マナ域を補うにしても、2ターン目に赤以外のカードをプレイして3ターン目に鎖回しを出すためには2色ランドが初手にある必要がありますし、それに他の色から借りてこれる2マナ域もたいして強くない。上のリストでは《団体のギルド魔道士/League Guildmage》が入っていますが、このカードも別に強くはないですからね。残ったときのプレッシャーが高いほうなのでマシな部類かなくらいで。
ミッドレンジでなくケルドレッドのような方向性でいくにしても《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》がいなくなったせいで《魔術師の稲妻/Wizard's Lightning》のクオリティまで下がってしまっているのが致命的です。《遁走する蒸気族/Runaway Steam-Kin》も過度な期待ができるほどではないですし。
《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》についても、これまでは赤いデッキに強いカードだったはずが《溶岩コイル/Lava Coil》の登場で事情が変わってしまい、タフネス5のオレリアのほうがつえーじゃんという感じに。
《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》自体はこれまでスタンダードを支配してきた実績もあり強いカードであることに疑問の余地はないんですが、とりあえず脇を固める他のカードが充実しないうちはお休みということになるんでしょうか。