令和にmtgがおかしくなったのは「ちゃんとテストプレイしてるから」説

 昨日スタンダード(及びヒストリック)での創案の火と裏切りの工作員の禁止と相棒ルールの変更が発表されました。

 

2020年6月1日 禁止制限告知|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

 スタンダードで禁止カードが出てしまうというとつい「よっぽどひどい環境だったのかな?」と思ってしまいますが、個人的にはイコリア環境はそう悲惨なものではなく、活躍するデッキの多様性という点ではむしろいい環境だったくらいに思っています。

 環境初期はラクドスルールスサクリファイスとジェスカイケルーガファイアーズが目立つ活躍をしたものの、その後ヨーリオンデッキがシェアを伸ばしスルタイヨーリオンコントロールなんかも試される中バントヨーリオンコントロールがトップメタに。相棒を使うデッキが活躍する中ティムール再生は非相棒デッキながらメタゲームに食い込む活躍を見せ、新たなアーキタイプとしてボロスサイクリングが台頭し、メタゲームの隙間を突くかのようにイコリア成分のほぼないティムール出来事が結果を残したりも。そして新たなコンセプトのヨーリオンデッキであるジェスカイルーカファイアーズが広まるとこのデッキがトップメタの地位を奪い、ついには昨日の禁止改訂に至りました。

 このように環境初期に強かったデッキがその後もずっと勝ち続けるということはなく、めまぐるしくメタゲームが変化し様々なデッキが試されたイコリア環境のスタンダードは決して悲惨な環境とは言えないでしょう。上で名前を挙げなかったデッキとしてまだ青白コントロールやオボシュ赤単やジャンド城塞などもあり、環境の多様性はかなり高かったと思います。

 

 とはいえ、多くのマジックプレイヤーが灯争大戦以降の令和のmtgはなんだかおかしくなってしまったと思っていること、そしてそれに不満を抱いているということは無視できない事実です。

 これまでは新セットのカードがモダンやレガシーに与える影響というのは限定的でしたが、最近では新セットが出るたびに下環境も大きく変化するほどにカードパワーが高まっています。それこそ変化が少なく気に入ったデッキを長く使い続けられることに下環境の魅力を見出すタイプの人からすると付いていけなくなるほどに。

 当然にそのパワーインフレの影響は下環境だけでなくスタンダードにも影響し、現在ではスタンダードで禁止されているカードは6枚に及びます。イクサラン、ドミナリア、ラヴニカのギルドと献身くらいの令和の前の一年半では禁止されたカードは後に解禁されたフェロキドンくんしか存在しません。

 

 さて、現在のmtgに不満を抱く人が多数いるため、禁止カードが出て相棒ルールも変更になるとネット上では罵倒の言葉が飛び交っています。「ちゃんとテストプレイしてないだろ!」「開発スタッフ無能すぎ!」という具合に。

 

 しかし、灯争大戦以降mtgがおかしくなったのはテストプレイをしていないからでも開発スタッフに無能しかいないからでもないでしょう。

 

 WotCは以前スタンダードの人気がひどく低くなってしまったことを受けプレイデザインチームを発足させました。集められたのはメリッサデトラを始めとしたトーナメントでの実績のあるマジックのスキルの高い人ばかりです。プレイデザインチームが完全に機能するようになったのは灯争大戦からだと公式で明かされており、これはmtgがおかしくなったのとタイミングが同じなのでプレイデザインチームの発足こそが直接的に現在の過剰なインフレの原因であることはまず間違いないでしょう。

 

 である以上、テストプレイは熱心に行われているはずですし、無能しかいないせいでバランスが壊れたという解釈には無理があるように思います。プレイデザインチームのスタッフのマジックのスキルはかつてのデベロップチームのそれよりもかなり高いはずです。

 

 ではなぜ現状があるのか。自分の想像ではおそらく原因は「ちゃんとテストプレイしているから」です。WotC内の本当の事情など知るわけがないのであくまで勝手な想像に過ぎませんが、解説します。

 

 新セットがリリースされ私たちがMTGAのランクマでスタンダードを遊ぶときのことを想像してみてください。私たちは興味のあるコンセプトでデッキを組み、対戦します。デッキが弱いと感じたら構成をいじってみたり、そもそも違うデッキに乗り換えたりしてより高い勝率を目指します。相手にしたデッキが強いと感じたらそれを目コピして回してみたりもするでしょう。自分のデッキに自信が持てたらSNS上に投下しいいねを稼ぎ、別の人はそれをコピーして回します。それが本当に強かったら使い続けるし、弱かったら回すのをやめます。世界中の人たちがそうやって遊ぶ中で集合知は蓄積していき、強いデッキはあっという間に広まります。

 

 一方で社内の10人前後のチーム内でテストプレイするときのことを想像してみてください。組まれるデッキは各メンバーの個性次第で、ランクマやイベントの勝率で淘汰されたり広まったりすることはありません。本当はものすごく強いデッキがあったとしても、チーム内でそれが発見されるかは運次第です。強いデッキが流行し頻繁に対戦相手として現れるということは起きません。更にカードの内容は日々変化していきます。

 

 要するに、私たちがMTGA等で遊ぶのと内部でテストプレイするのとでは前提となる環境が全く異なるわけですね。そのため、テストプレイは必ず不十分なものでしかありえません。

 

 これは構造的な問題であり、メンバーの能力の問題ではありません。仮に現在のプレイデザインチームのメンバーを全員解雇し、現在MPLで活躍するプロプレイヤーを代わりに雇ったとしても同じことです。

 

 例えばPTパリ2011ではベンスタークがカウブレードを使用して優勝したわけですが、その優勝リストですらその後のカウブレードのリストに比べると粗削りです。同PTではトップ8にカウブレードが4人入賞しているのですが、そのうちの日本人2人を見てみると中田直樹は石鍛冶の神秘家を2枚しか採用しておらず、石村信太朗は戦隊の鷹をサイドボードに落としています。今から振り返ると信じがたい選択に思えますが、しかしそれでもカウブレードを選択したというだけで参加者の中でエッジを出せていたんですね。なにしろカウブレードを選択しないというのは石鍛冶を2枚しか入れないことや鷹をメインボードに採用しないことよりも遥かに大きな間違いだったわけですから。

 別の例も挙げましょう。テーロス環境のトップメタデッキといえばもちろん黒単信心ですね。ではPTテーロスで黒単信心を使用したプレイヤーは何人でしょうか? 答えはわずか3人です。

 

 当時のPTは確か新セットの発売の2週間後か3週間後に開催されており、その間にスタンダードのGPもないのでMOのDEや各地の草の根トーナメントの結果くらいしか参考にできる情報はなく、チーム内での調整に頼ってデッキを作り上げるしかありませんでした。そのような状況だとプロプレイヤーであっても後にトップメタとして君臨することになるデッキに比べるとかなり弱いものしか用意できないというのが現実としてあるわけですね。

 である以上、MOのDEや草の根トーナメントの結果を参考にすることすらできず、カードのコストや効果も一定でない内部テストプレイの質というのはどうしても限界があるのが当然でしょう。

 

 おそらくプレイデザイン発足後のWotCの最大のミスはこの限界について認識が甘かったことです。優秀なスタッフを集めた! 彼らに熱心にテストプレイをさせた! そうなるとどうしてもそのテストプレイの結果を信用したくなってしまいます。これまでなら避けていたような危険なデザインのカードもテストプレイの結果問題なさそうならGOサインを出してしまう。

 

 でも、やっぱりリリース後に我々が遊ぶ環境と内部テストプレイ環境は全然別物なんです。

 

 物事を判断する際に利用するデータは、きちんと判断材料として適切なものである必要があります。

 例えば地球温暖化について知りたいと思って一年間毎日近所の学校の百葉箱をチェックし続ける人がいたとします。でもそれでわかるのはその地域の一年間の天気や季節の移り変わりであって、地球温暖化のことは何もわからないですよね。

 世論調査をしたいと思ってツイッターでアンケートを取る人がいたとします。それでわかるのはその人のフォロワーやそのツイートをRT等で目にした人の中の、わざわざツイッターアンケートに答えるタイプの人という更に狭いカテゴリの人たちの考えであって、そもそもツイッター自体見ない人も含めた全国の人々の意見がどうなのかはわかりません。

 

 テストプレイでこのカードを使ったデッキの勝率がすごく高かったとか、そうでもなかったとかの情報も同じことです。その情報から言えるのはどうも勝率の高いデッキは上手く組めたっぽく、そうでもないデッキは上手く組めなかったっぽいということであって、実際のリリース後の環境がどうなるのかとは大きな距離があります。判断材料として全く適切ではないんです。

 

 にも関わらず優秀なスタッフが熱心に行ったテストプレイだからといってその結果を判断材料として大きく信用してしまったなら、判断材料として不適切なものを判断材料にしてしまっているわけで、そりゃあ当然メチャクチャにもなります。

 

 本来は「3マナのPWは強すぎになりやすい。ボード触れるならなおさら」とか「デッキを5枚も掘れる軽いカードが汎用的に使えるとヤバい。0コストとかマジヤバイ」というような過去の蓄積から得た知見をベースに、それだけでは判断しきれないところをテストプレイで得た知見で補うのが良いはずです。テストプレイで得た知見に全幅の信頼を置いて過去の蓄積からの知見を軽視しては主従の逆転です。

 

 昨日の禁止改訂の公式の文章にて、創案の火について「今後新しい高コストカードが出るたびにどんどんヤバくなってくからカードデザインに制限かけるわこのカード」という旨のことが書かれていて、それに対してツイッターでは「そんなん見ればわかるだろ」という反応がされていたんですが、これはいかにもネットっぽい煽りでありながら意外に本質を突いたものなのではないかと思います。テストに頼らずに見ればわかることは見ただけで判断すべきです。下手にテストしてしまうとカードは強いけど組んだデッキは弱かったとか、相手デッキとの相性が悪かったとか、相手デッキにそれ以上の壊れカードが入っていたとか、たまたまよく事故ったとか、そういったことによりバイアスがかかって正しく判断できなくなるリスクが高まります。

 

 もちろんこの「テストプレイに頼りすぎたのがバランスがおかしくなった原因ではないか」というのは単なる憶測なんですが、一応この説を補強する材料を提示しておきます。

 

Mファイル『基本セット2020』編・赤、緑、多色、土地、その他|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

  この記事の中で夏の帳についてこのように書かれています。

 

 わたしたちは多分、《夏の帳》のデザインにこのサイクルの残り全部のカードを合わせたよりも時間をかけています。

 

 しかしそれだけの時間をかけた夏の帳はスタンダードで禁止されてしまいました。夏の帳のカードパワーが高すぎるものになってしまった原因は明らかにテストプレイの不足ではありません。むしろ、たくさんテストする中で客観的視点を失い「見ればわかるだろ」で判断できなくなってしまったのが見て取れます。

 

 

 最後に。

 今後のマジックが良くなるのか、ですが、自分はこれに対してかなり楽観的です。

 

 以前、確か霊気紛争かアモンケットの頃に以下のようなブログ記事を書きました。

 

問題はスタンダードのブロック構築化である

 

 スタンダードの問題について指摘する内容ですが、現在ではここでした指摘は全く当たらなくなっています。

 当時も今も問題のある状況なら同じなのでは? と思うかもしれませんが全然違うんです。

 この記事では「低レアリティの基本カードのデフレのせいで一部の目玉カードの支配力が過剰になり多様性が失われているのでは?」ということを書いたんですが、現在のマジックにそのような問題はありません。

 この記事を書いた後、稲妻の一撃、選択、呪文貫き、強迫、ラノワールのエルフ、成長のらせんなど強力な低レアリティの基本カードが多くスタンダードセットに収録されました。イコリア環境についても、この記事の冒頭で述べたように多種多様なデッキタイプが存在し、やはりこの記事で指摘しているような問題は存在しません。

 

プレイデザインの教訓|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

 また、この記事ではこのように書かれています。

 

 スタンダード内のパワー・レベルが低いということは、このフォーマットがパワー・レベルを間違ったカードにより敏感であるということであり、この事実によってこれらのスタンダード・フォーマットはひどく歪んでいました。《密輸人の回転翼機》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》などのカードはそのフォーマット内のカードが強ければ起きないような方法で支配的でした。

 

 自分の主張は低レアリティの基本カードのパワーを上げるべきだということであって全体をインフレさせるべきだというものではないので若干の違いはあるんですが、だいたい同じことを言っています。

 

 マジックは僕が指摘していたような問題を解決しました。ただ、代わりに、逆方向にやりすぎてしまっただけです。

 マローがよくコラムに書いているように、マジックは変化するゲームです。今はまだ令和の失敗のフィードバックを反映できていない状況なのでマジックは不安定に見えますが、現在のフィードバックがセットに反映される頃にはきっと良くなるはずだと信じています。

メディアリテラシーとマスク2枚の話

ツイッターにちょろっと思ったことを書き残しておこうと思ったら想定より少し長くなってしまいツイッターで書くにはうるさい感じになってしまったのでブログに。

 

 

 

 

 

以前よりメディアリテラシー概念って実は危険なものなのでは? と思ってたけどマスク2枚の件で改めて思ったので書いておく。


マスク2枚のやつはそれが発表された日はうわーっと批判の声が盛り上がり、そして翌日には実は政府は様々な対策をしている、マスク2枚だけではないという話が拡散されるというふうにネット世論が動いたのだけれど、ここでは後者を批判する。


マスク擁護派の主張は政府はマスクの増産体制を準備していたり医療機関へのマスク配布を行ったりしていてマスク2枚の配布以外何もしていないということはないというものなのだけれど、これによって反論できるのは「政府はマスク2枚の配布以外一切何もしていない」という主張だけ。実際にはコロナにより休業を余儀なくされた事業者をどう支えるかとかそもそも金配らなきゃ自粛要請されたとこで働くしかねえよという話があって、だから個人向けの補償が必要だとなっていたときに飛び出てきたのが例のマスク2枚だったからみんな怒ったわけで、医療機関にマスクを配ってるというのは個人向けの補償ではないので関係がありそうでよくよく考えると反論になっていない。効果が薄い施策に金かけるんじゃねえよという批判に対してもやっぱりこれは反論にならない。


当然のことながらマスク2枚を批判している人たちも政府が他のコロナ対策を一切していないなんて思ってはいないわけで、そこで「政府はマスク2枚の配布以外何もしていないなんてことはないんです!」と言い出すのはいわゆる藁人形論法というやつ。

 

で、ここで恐ろしいのはマスク2枚を批判していた人たちはいかにも感情的に噴き上がっているように見えるのに対し、マスク擁護派は冷静に事実に基づいて話しているように見えるということ。だから、マスク擁護派の意見に同意するというのは自分が情報強者であるという感覚を与えてくれる気持ちのいいものになっている。何も知らずに噴き上がってる愚民どもと俺は違うんだぜ、と他人を見下させてくれる言説はすごく魅力的。


しかしそういう魅力のある言説が正しいのかというと別にそんなことはないわけで。そして、これまでのネット言説もそういう魅力で人を惹きつけて狂わせてきたところがあるんじゃないかなーというのが自分の考え。

 

つまり、マスコミは捏造や偏向ばかりだと攻撃する。そうするとその言説を受け入れた人は俺はメディアリテラシーがあってマスコミに流されてる情弱どもとは違うんだぜ、という気持ちのいい自己認識を得る。そうなると既存メディアへの不信感情が自尊心と結びついた形で強まり、既存メディアから流れてくる都合の悪い情報は捏造や偏向として処理され、更に既存メディアへの不信感情は強化される。このセルフ情報遮断によってご都合主義的に歪んだ認識から出てこれなくなった人間が結構な数生まれているのではないかなと。しかもこれ、他人を見下したい欲望が燃料だから自分は優秀だと確信する根拠のある学歴や社会的地位の高い人もハマりやすいんじゃないかなーと。(おわり

みつひでwayfinder in 灯争大戦

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 新セットが出るたびに書いてるこのシリーズ、前回ラヴニカの献身のときはサボっちゃったんですがごく一部に需要があるようなので今回はやります。

 今回は強いカードが多くて新しいデッキの話だけすると話題に出したいカードの多くが漏れることになってしまうんでまずは既存デッキの話から。

 

 

 

 

■白単

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 白単は大きく強化されたデッキのように思います。

 なんといっても《黒き剣のギデオン》。軽い。忠誠値が高い。打点がデカい。多くの説明は必要ないでしょう。誰がどう見てもヤバい強さ。これまで白単を全除去で倒していたデッキ達がギデオン1枚に蹂躙されていく姿が今からありありと想像できます。

 そして《高名な弁護士、トミク》。テキストはスタンダードではほぼ飾りですが、《焦熱の連続砲撃》や《肉儀場の叫び》を避けられるタフネス3を持つ回避能力持ちがありがたい追加戦力となることは間違いないでしょう。

 《法ルーンの執行官》も白単をネクストレベルに押し上げるであろう1枚。《ゴブリンの鎖回し》で死なない実用的な1マナ域はまさに白単が求めていたものです。1/2というサイズはやや物足りないように見えてワンサイズアップさせる前提ならば優秀。2/1を3/2にしても結局2点全除去に巻き込まれたりトークンなんかの2/2と相討ってしまったりするんですが、そこが2/3だと頼もしいんですよね。《黎明をもたらす者ライラ》などの戦闘力の化身みたいな重いクリーチャーはこいつの登場で今よりも立場が悪くなりそうです。

 

 

 

■赤単

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 一方赤単はあまり新セットの恩恵を受けられなかったようです。

 《炎の職工、チャンドラ》は良いカードではあるものの、既に赤単には《実験の狂乱》というエースが存在し、似た役割のカードが増えたところで大きな強化とは言えないでしょう。

 その性能に完全に満足しているわけではないものの仕方なく使っていたカードとして《狂信的扇動者》がありますが、その枠を《不気味な修練者》が奪えるかというとこれも微妙なところ。《心火》を採用する構築なら《不気味な修練者》もいいですが、そうでないなら《狂信的扇動者》のほうが強そうに見えます。

 

 

 

■青単

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 青単は赤単以上に新戦力に恵まれていないようです。新しいカードを見てもサイドボードの選択肢にはなる程度のカードしか見当たりません。

 そして上記のように苦手とする白単が強化されていたり、後述する《爆発域》というカードが突き刺さってしまったりと、新環境での立ち位置は厳しいものとなりそうです。

 

 

 

■グルール

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 グルールはなかなかの強化を受けたようです。

 赤単と異なり手札消費が早くなく《実験の狂乱》を使いづらいグルールにとって《炎の職工、チャンドラ》の加入はデッキのクオリティを1段階引き上げるものと期待できますし、《主無き者、サルカン》も現在《スカルガンのヘルカイト》が採用されている枠にすんなり収まりそうです。ドラゴンを出した返しに《ビビアン・リード》でドラゴンを殺されても自身がクリーチャー化することでビビアンを落とし優位を維持できるあたりかなり好印象。もちろん自身とドラゴンのどちらも対処されなかったときに単体で8点というクロックの高さもかなりのパワーを感じるポイントです。

 これまでのグルールはクリーチャーでしかプレッシャーをかけられないデッキでしたが、今後は太いクリーチャーによるプレッシャー+プレインズウォーカーによるマウントというスタンダードでベストデッキになりやすい性質を持つデッキに生まれ変わるのではないでしょうか。

 

 《ボーラスの壊乱者、ドムリ》はちょっとプラスが弱いかなという感じであまり評価していないんですが、《ドムリの待ち伏せ》はまあまあ評価しています。ソーサリーで使いづらさがあるとはいえ、マジックのワンサイズアップは馬鹿にできないバリュー。《成長室の守護者》との相性もいいですし、1~2枚なら採用していいかなと思います。

 サイドボードの選択肢が《ビビアンのアーク弓》《稲妻曲げ》と増えているのもグルールにとってポジティブなポイントですね(ただし実際に使うかは不明)。

 

 

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 《生ける竜巻》は赤ベースのグルールだと戦士でないため採用しづらく、緑ベースのグルールだと赤のダブシンが重いという残念なカードですが、スペックは高いんで新たなタイプのグルールを生む可能性を秘めたカードかもしれません。

 《猪の祟神、イルハグ》は《野生の律動》から走らせて《原初の飢え、ガルタ》や《殺戮の暴君》で大ダメージを与えるというコンボが楽しそうです。

 

 

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 《永遠神ロナス》《世界を揺るがす者、ニッサ》は個人的には評価していない2枚。そもそも緑ベースのデッキが弱いと思っていますし、《永遠神ロナス》は更地にされると機能しない、《世界を揺るがす者、ニッサ》は《高名な弁護士、トミク》でなんとなく止められる、という具合に弱い状況を想像しやすいのが低評価ポイント。

 

 

 

 

■セレズニアトーク

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 正直なところ《狼の友、トルシミール》と《栄光の終焉》は画像を貼りはしたもののまあ使わんやろと思ってるんですが、《寛大なる者、アジャニ》《ファートリの猛竜》《カーンの拠点》の3枚はセレズニアをはっきりと強化するパーツのように思います。特に《寛大なる者、アジャニ》は「アグロに強い」という明確な強みがあり、セレズニアを選択する理由となるでしょう。「今はアグロが多いメタゲームだからセレズニアを使うぜ!」という具合に。

 ちなみにワンポイントアドバイス。《ファートリの猛竜》と《不敗の陣形》を同じターンに使うときは、まず《ファートリの猛竜》を出し、能力にスタックで《不敗の陣形》を使うようにしましょう。附則の条件は「ソーサリータイミングで唱えたなら」ではなく「あなたのメインフェイズ中に唱えたなら」なので、こうすることで《ファートリの猛竜》にもカウンターが乗り増殖と合わせて4/5になります。

 

 

 

■スゥルタイ

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 スゥルタイに採用できそうな新カードを見ても全然強そうに見えないですね。実は《力線をうろつくもの》がメチャクチャ強いとかでないと令和の時代に取り残された平成デッキになってしまいそうな…。

 

 

 

エスパーコントロール

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 何よりも《ボーラスの占い師》。4ターン目に《ケイヤの怒り》を撃つつもりだがそれまで盤面を放置すると殴られすぎる。かといって軽除去を使うと《ケイヤの怒り》の価値が下がってしまう…というようなジレンマをいとも容易く解消するスーパーカードです。これによりエスパーコンは一段階上のデッキになると言えるのではないでしょうか。殴るデッキの生物の選択にも大きな影響を与えることになるでしょう。

 他のカードたちは選択肢には入るものの実際に使うかは微妙、あるいはデッキに1枚なら入るくらいのものが多いように見えますが、とりあえず《オブ・ニクシリスの残虐》は《黒き剣のギデオン》をスマートに処理できるカードがエスパーカラーだと他にないため仕方なく使わざるを得ないんじゃないかと思います。

 

 

 

■イゼットフェニックス

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 《崇高な工匠、サヒーリ》という第三のプランを手に入れました。トークンを量産して、最後は《弾けるドレイク》をコピーして勝利! やはり《ゴブリンの電術師》と《急進思想》のあるイゼットフェニックスこそサヒーリを最も上手く使えるデッキでしょう。

 《約束の終焉》は《弧光のフェニックス》を1枚で戻せるだけでなく、1枚で《崇高な工匠、サヒーリ》からトークンを3体も出せるというシナジーも。

 

 

 

シミックネクサス

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 シミックネクサスは大幅な強化を得たデッキのように思います。

 まず《覆いを割く者、ナーセット》。探せるのがインスタントorソーサリーではなくクリーチャーでも土地でもないカードなので、《荒野の再生》と《アズカンタの探索》というエンチャントのキーカードを探すことができます。3ターン目に出して生き残ってターンが帰ってきたら都合8枚も掘れるわけで、極めて高い確率で4ターン目に《荒野の再生》を貼ることができるでしょう。《荒野の再生》を貼った次のターンに《覆いを割く者、ナーセット》+《運命のきずな》とぴったり動けるというのも高評価ポイントです。

 《伝承の収集者、タミヨウ》は4マナのソーサリータイミングのアクションというのが採用の上でのネックになってしまいますが、自分のライブラリ枚数を減らすことが直接的に勝利につながるネクサスデッキではプラス連打の価値が高く、無限ターン成立の速度と確実性を高めてくれます。

 そして何よりも《爆発域》。苦手だった単色アグロに対してクリティカルなカードで、相性逆転とまではいかなくとも不利の度合いが下がれば環境内でのポジションはぐんと良くなることでしょう。処理できないと詰む《時を解す者、テフェリー》への解答でもあり、無理してでも複数枚採用すべきカードだと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  というわけで既存デッキのチェックはこれで終わり。ここからは新カードを使ったデッキを考えていきます。

 

 

 

 

■グリクシス動員コントロール

4《湿った墓/Watery Grave》

4《蒸気孔/Steam Vents》

4《血の墓所/Blood Crypt》

4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》

4《硫黄の滝/Sulfur Falls》

4《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》

2《沼/Swamp》

 

4《煌めく監視者/Gleaming Overseer》

 

3龍神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, Dragon-God》

1《戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General》

1《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》

 

4《戦慄衆の侵略/Dreadhorde Invasion》

4《蔓延する蛮行/Widespread Brutality》

2《永遠神の投入/Enter the God-Eternals》

2《薬術師の眼識/Chemister’s Insight》

1《タミヨウの天啓/Tamiyo’s Epiphany

4《思考消去/Thought Erasure》

2《否認/Negate》

2《渇望の時/Moment of Craving》

2《アングラスの暴力/Angrath’s Rampage》

2《魔性/Bedevil》 

 

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 《蔓延する蛮行/Widespread Brutality》《永遠神の投入/Enter the God-Eternals》というアグロに強いカードを使え、かつセットの目玉の超パワーカード《龍神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, Dragon-God》を自然に使えるという強みを持つのがこのグリクシス動員コントロールです。

 特に《蔓延する蛮行/Widespread Brutality》は相手のブロッカーを蹴散らしながらプレインズウォーカーにプレッシャーをかけることができるあたり大変に魅力的ですね。ラスよりも砂塵破に近いカードが4マナという脅威。

 《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》はグリクシスというエンチャントに触れない色におけるせめてものエンチャントへの対抗手段。どうせこのデッキで《荒野の再生/Wilderness Reclamation》を使うようなデッキに勝つのは不可能だと思いますが、《実験の狂乱/Experimental Frenzy》は割れるようにしておきたいところです。

 

 

 

 

■黒赤ゾンビ

4《血の墓所/Blood Crypt》

4《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》

4《手付かずの領土/Unclaimed Territory》

8《沼/Swamp》

2《山/Mountain》

 

4《どぶ骨/Gutterbones》

4《戦墓のグール/Diregraf Ghoul》

4《不気味な修練者/Grim Initiate》

4《ラゾテプの肉裂き/Lazotep Reaver》

2《墓地の司令官/Graveyard Marshal》

4《真夜中の死神/Midnight Reaper》

4《死の男爵/Death Baron》

 

4《死が触れぬ者、リリアナ/Liliana, Untouched by Death》

 

4《鮮血の刃先/Bleeding Edge》

4《心火/Heartfire》

 

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 《ラゾテプの肉裂き/Lazotep Reaver》を見たとき、僕は気付いてしまいました。このカードは1枚でゾンビを2体並べられるため《死の男爵/Death Baron》《死が触れぬ者、リリアナ/Liliana, Untouched by Death》と相性がいいということに…。

 そして《不気味な修練者/Grim Initiate》《ラゾテプの肉裂き/Lazotep Reaver》は1枚でクリーチャー2枚分になるため《心火/Heartfire》と相性抜群。

 これはもう組むしかないでしょう、黒赤ゾンビ。

 ちなみに《どぶ骨/Gutterbones》はゾンビではなくスケルトンです。《死の男爵/Death Baron》で強化されるのでギリギリセーフ(?)

 

 

 

 

■青赤潜水艇

2《イゼットのギルド門/Izzet Guildgate》

4《蒸気孔/Steam Vents》

4《硫黄の滝/Sulfur Falls》

10《島/Island》

3《山/Mountain》

 

4《マーフォークのペテン師/Merfolk Trickster

4《排斥する魔道士/Exclusion Mage》

4《軍勢の戦親分/Legion Warboss》

3《永遠神ケフネト/God-Eternal Kefnet》

 

4《静かな潜水艇/Silent Submersible》

4《謎めいた指導者、カズミナ/Kasmina, Enigmatic Mentor》

 

4《選択/Opt》

3《ショック/Shock》

4《稲妻の一撃/Lightning Strike》

3《魔術師の稲妻/Wizard’s Lightning》

 

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 《静かな潜水艇/Silent Submersible》→《排斥する魔道士/Exclusion Mage》→《謎めいた指導者、カズミナ/Kasmina, Enigmatic Mentor》は令和のコプター反射ギデオン。この符号に気付いている人は世界広しといえでも僕くらいしかいないでしょう。

 《軍勢の戦親分/Legion Warboss》はトークンがチャンプアタックしそうなところで潜水艇への搭乗で回避できるという小技を評価しての採用です。

 

 

 

 

■赤青ウィザード

4《蒸気孔/Steam Vents》

4《硫黄破/Sulfurous Blast》

11《山/Mountain》

1《島/Island》

 

4《ギトゥの溶岩走り/Ghitu Lavarunner》

4《燃え立つ預言者/Burning Prophet》

4《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》

4《燃えがらの風、エイデリズ/Adeliz, the Cinder Wind》

 

4《ミジウムの戦車/Mizzium Tank》

 

4《突破/Crash Through》

4《大将軍の憤怒/Warlord’s Fury》

4《ショック/Shock》

4《稲妻の一撃/Lightning Strike》

4《魔術師の稲妻/Wizard’s Lightning》

 

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 《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》と《燃えがらの風、エイデリズ/Adeliz, the Cinder Wind》が揃うとエイデリズのパンプ能力によって秘儀術師のパワーが上がり、それによって本来フラッシュバックできないはずのコスト2以上のスペルがフラッシュバックでき、連鎖的にエイデリズのパンプ能力が誘発しすごいことになります。

 このデッキを通じて僕が皆さんに伝えたいことはただそれだけです。

 

 

 

 

■ボロス教導

2《ボロスのギルド門/Boros Guildgate》

4《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》

4《断崖の避難所/Clifftop Retreat》

10《平地/Plains》

4《山/Mountain》

 

4《法ルーンの執行官/Law-Rune Enforcer》

4《ボロスの挑戦者/Boros Challenger》

4《サンホームの重鎮/Sunhome Stalwart》

1《高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist》

4《贖いし者、フェザー/Feather, the Redeemed》

4《ブリキ通りの重鎮、クレンコ/Krenko, Tin Street Kingpin》

3《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》

 

2《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》

 

4《サムトの疾走/Samut’s Sprint》

3《防護の光/Sheltering Light》

3《無謀な怒り/Reckless Rage》

 

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 《ブリキ通りの重鎮、クレンコ/Krenko, Tin Street Kingpin》に《サムトの疾走/Samut’s Sprint》を使うと一気に4体ものゴブリントークンを生成することができます。更にそのとき場に《贖いし者、フェザー/Feather, the Redeemed》がいれば《サムトの疾走/Samut’s Sprint》はバイバック!

 《ブリキ通りの重鎮、クレンコ/Krenko, Tin Street Kingpin》は素のサイズが1/2なのでパワー2の教導と一緒に殴ったとき先に教導を解決すると3/4になってトークンを3体出せたり、《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》のパンプでトークン生成量を増やせたりとボロス教導と相性のいいカードです。

 《サムトの疾走/Samut’s Sprint》もクレンコと合わせて使えなくても教導生物に使っても強いんでこれまたボロス教導と相性がいいですね。

 ボロス教導は2ターン目にパワー2の教導生物を展開するため1ターン目にパワー1の生物を展開しておきたいものの、1マナパワー1の生物が単体で弱いという欠点がありましたが、《法ルーンの執行官/Law-Rune Enforcer》が単体でもそれなりに強い1マナパワー1として足りなかった穴を埋めてくれています。

 そしてなんといっても《贖いし者、フェザー/Feather, the Redeemed》。《防護の光/Sheltering Light》と組み合わさるとほとんど対処不能になりますし、《無謀な怒り/Reckless Rage》と組み合わさると毎ターン除去がバイバックし続けることになります。

 シナジーが多くて楽しい!!

 

 

 

 

■白黒天使

4《神無き祭殿/Godless Shrine》

4《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》

10《平地/Plains》

5《沼/Swamp》

 

4《不屈の護衛/Dauntless Bodyguard》

4《悪意の騎士/Knight of Malice》

4《アダントの先兵/Adanto Vanguard》

3《高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist》

4《輝かしい天使/Resplendent Angel》

4《秤の熾天使/Seraph of the Scales》

 

4《ベナリア史/History of Benalia》

3《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》

3《復讐に燃えた血王、ソリン/Sorin, Vengeful Bloodlord》

 

2《ケイヤの誓い/Oath of Kaya

2《屈辱/Mortify》

 

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 やりたいことはシンプルで、《輝かしい天使/Resplendent Angel》と《復讐に燃えた血王、ソリン/Sorin, Vengeful Bloodlord》のコンボによる毎ターン天使生成です。

 《復讐に燃えた血王、ソリン/Sorin, Vengeful Bloodlord》はリアニメイト能力を持つため、《輝かしい天使/Resplendent Angel》が除去されてしまってもコンボは成立します。すごい!

 《ケイヤの誓い/Oath of Kaya》はソリンはいないけれど《輝かしい天使/Resplendent Angel》と《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》が場にいる「3点は回復できるけど5点に届かない…!!」という状況で足りないゲイン量を補ってくれる存在です。

 

 

 

 

 

エスパーミッドレンジ

4《神無き祭殿/Godless Shrine》

4《神聖なる泉/Hallowed Fountain》

4《湿った墓/Watery Grave》

4《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》

4《氷河の城砦/Glacial Fortress

4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》

2《平地/Plains》

 

3《追われる証人/Hunted Witness》

4《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》

4《無慈悲な司教/Pitiless Pontiff》

4《残酷な祝賀者/Cruel Celebrant》

4《民兵のラッパ手/Militia Bugler》

4《拘留代理人/Deputy of Detention》

4《精鋭護衛魔道士/Elite Guardmage》

3《人質取り/Hostage Taker》

4《永遠神オケチラ/God-Eternal Oketra》

 

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 《永遠神オケチラ/God-Eternal Oketra》は一見すると生き残ってターンが帰ってくるとゲームに勝利する《スカラベの神/The Scarab God》のようなカードに見えてその実なにも考えずに白いデッキを組んでしまうと5マナのカードを出す頃には手札のクリーチャーが枯れてしまっていてあまり能力が活きないという扱いが難しいカードです。

 そこで! デッキの土地以外のスロットをすべてクリーチャーで埋め尽くすとともに手札が枯渇しにくいように意識したカード選択を行い《永遠神オケチラ/God-Eternal Oketra》がそのポテンシャルを最大限発揮できるように組んだデッキがこちらになります。

 《民兵のラッパ手/Militia Bugler》と《精鋭護衛魔道士/Elite Guardmage》は展開しても手札が減らず《永遠神オケチラ/God-Eternal Oketra》と相性抜群。3ターン目4ターン目とクリーチャーを出しているのに手札が減らないというのは幸福感がヤバいですね。

 《拘留代理人/Deputy of Detention》と《人質取り/Hostage Taker》は除去でありながらクリーチャーという点でこれまた《永遠神オケチラ/God-Eternal Oketra》と相性良し。《人質取り/Hostage Taker》でパクったカードを出すのは「唱える」なので1枚で2回オケチラでゾンビトークンを出すことができます。そこまでやったら相手の顔面は爆発すること間違いないですね。

 もしも《永遠神オケチラ/God-Eternal Oketra》を引かない場合は《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》《無慈悲な司教/Pitiless Pontiff》《残酷な祝賀者/Cruel Celebrant》のシステムで多色カードを使うたびにドレインできるようになるのでそれによる勝利を目指しましょう。これらのカードは相手からすると即除去しないと危険なためオケチラを生き残らせるための露払いとしても優秀です。





ハースストーンを遊ばなくなった理由

 ネットの話題の鮮度が持つのはせいぜい2~3日程度というふうに思っているんでだいぶ時期を逃した感がありますが、以下の話題について。

 

hs-exp.jp

 

 

 まさに自分は「かつてハースストーンを遊んでいたものの今は全く遊んでいない人間」です。別に生活環境の変化等で時間を取るのが難しくなり自然と遊ばなくなったというわけではなく、意思を持って遊ぶのを止めました。

 知り合いやツイッターのフォロワー以外の方もこれを読むかもしれないので一応自分がどんな人間なのかについて説明しておくと、カードゲームはMTGを長く(かれこれ15年以上)プレイしていて、ハースストーンはクラシック時代のミラクルローグ全盛期の頃に始めました。確か始めたころは犬が3マナで鳥が2マナでしたね。わりと初期の頃からやっていますが、といっても毎月レジェンドランクに到達するまで頑張るとかレジェ上位を目指して走るとかいったことをするほど熱心なプレイヤーではなく、レジェ到達経験も1~2回しかありません。要するにカジュアル勢。全く触らない月もあるものの、気が向いたらランク5になるくらいまで回すという感じのゆるい付き合い方を長く続けていました。

 

 

■最初の意識的引退

 

 ウンゴロ環境の頃は楽しく遊んでいました。アグロ好きなのでマーロックパラディンやアグロドルイドをよく使っていた記憶がありますが、他にも秘策メイジ等全部で5個か6個くらいデッキを作って色々と回していました。

 玉座の騎士団環境はほとんど触っていなかったものの、意識的にプレイしないようにしていたわけではなく、なんとなく他の事優先だっただけです。

 そしてコボルト環境。しばらく触っていなかったのでネットでデッキを探し、ウンゴロ環境でよく使っていたマーロックパラディンが動員の追加もあってまだ有力デッキのひとつらしいのでそれを組み、ランクマッチへ。そこに“奴”が現れます。

 

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当時5コストでした

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当時8回復してました

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 キューブロック。

 中盤まで有利にゲームを進めて、地獄の炎もケアできていると思ったところにわずか6マナからなされる8回復+計18点分の挑発。

 それでも頑張ってこの18点分の挑発を全部倒すと…

 

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sine

 全員、復活w

 完全にこちらの努力を嘲笑っています。普通の殴るデッキではどうしようもありません。

 

 

 他のデッキが使うカードも、

 

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 何故か全体3点に3/3が付いていたり

 

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当時6コストでした

 

 何故か6マナで4/4と10マナミニオンが出てきたりと意味不明。

 

 完全にコストとパワーレベルの設定が間違っているとしか思えない壊れたカードたちの応酬に僕の心は付いていくことができませんでした。頑張って有利な盤面を築いたと思っても一瞬で卓袱台返しされる体験を繰り返した先にあったのはストレスと無力感だけです。

 謎めいた挑戦者やレノジャクソンに耐えられた僕も流石に心が折れました。ゲームがつまらなすぎて具合が悪くなっていることに気付いたとき、初めて意識的にハースストーンから離れることに決めました。

 

 

 

■そして引退へ

 

 とはいえカードゲームにおいて一時的に荒れた環境になってしまうなんていうのはよくあることです。「この環境つまらないから遊びたくないなあ」と思ったときはただ待てばいいのです。ナーフが入ればきっとまた楽しいゲームが戻ってきます。

 そして実際にキューブロックのパーツや性悪な召喚師はナーフされることとなりました。これで楽しいハースストーンが帰ってくるぞ…!! 意気揚々と久々のログインをした僕を待っていたのは…

 

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 マナ加速からマスターオークハートどーん!

 

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 挑発2体とドラゴン孵化師どーん!

(9マナのカードが9マナのカードを呼んでくる…????)

 

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 エンドに眠れるドラゴンどーん!

(9マナのカードが呼んできた9マナのカードがまた9マナのカードを呼んでくる……???????)

 

 そして一連の動き(←9マナ払ってカード1枚使っただけ)で登場した計23点分の挑発をやっとの思いで突破すると…

 

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 ハドロノックスを自然への回帰でサクって~~

 挑発ミニオン、全員復活w

 

 キューブロックと同じじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 詳しい人からすると挑発ドルイドはキューブロックみたいに支配的なデッキでは全然ないよとか言われるのかもしれませんが、キューブロックが嫌でハースストーンを離れていた人間からするとこの動きをされるのは再び見切りを付けるのに充分でした。ハースストーンを面白く感じられなくなった原因はごく一部の数枚のカードにあるのではなく、もっと幅広くあるのだと気付かされたわけですから。

 

 一応そこで完全に止めたわけではなくメカメカ大作戦のリリース後に少しやってみたのですが…

 

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当時は5コストでした

 

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 やっぱり延々と挑発ミニオンを殴り続けることを強いられるなこのゲーム!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 というわけでそれが最後のハースストーンのプレイとなってしまったのでした。

 今思うとヘドロゲッパーの突破に苦労していた時代が懐かしいですね。

 

 

 

 

 

■自分がハースストーンに復帰するには

 

 冒頭に貼った記事ではハースストーンから去っていったプレイヤー達にゲームに戻ってもらうにはどうするべきかということが語られ、大会モードの実装や新フォーマットの追加などでマンネリを打破すべきではないかということなどの意見が紹介されているわけですが、そういった新しい取り組みがなされても少なくとも僕は復帰しません。

 なぜなら僕がハースストーンを遊ばなくなったのはゲームを面白いと思えなくなったからで、ここで言う面白くないというのはマンネリで退屈という意味ではなく、ストレスフルで不愉快だという意味だからです。面白さが足りないのではなく、つまらなさが多すぎるのです。

 いくらか新鮮味のある遊び方ができるようになったところで、そもそものゲームがストレスフルなままなら遊びませんよ。

 

 ただし、これをやるならきっと復帰するだろうというものはひとつあります。MTGオールドスクールフォーマットのように黎明期のカードのみで遊ぶフォーマットの追加です。もちろん最近になってナーフされたベーシックやクラシックのカードは元のまま使える仕様で。期間限定でいいんでこれをやってくれたら必ずまたログインするでしょう。

 要するに玉座の騎士団以降のカードにゲームをつまらなくするものが多すぎて完全に嫌になってしまったというのが現状なので、そうなる前のハースストーンが遊べるなら僕はおおいに喜んで戻ります。

 

 あと現実的なところだと、今あるカードがすべてローテーション落ちしたタイミングで環境の評判がよければ普通に復帰するでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■自分がゲームに求めるもの

 

 ここから先は余談です。自分はどういった条件が満たされていればそのゲームを面白いと感じるかについて。

 

 もちろんゲームを面白くする要因は多々あり、そのすべてを網羅的に語ることはできません。なのでここに挙げるのは自分が特に大事だと思うそのうちの一部です。

 

 自分が特に大事だと思うゲームを面白くするための条件は以下の3つです。

 

 1つめは「短期目標」。

 2つめは「反復的でない体験」。

 3つめは「コントロール感」。

 

 順番に解説していきます。

 

 

 

 

①短期目標

 

 多くの説明は必要ないと思います。人は少し頑張れば手が届きそうな目標があるとつい頑張ってしまうものです。そしてその目標を達成したときに即座に新たな少し頑張れば手が届きそうな目標ができるという連鎖が続くとひたすらのめり込んでしまいます。

 この小さな目標達成を積み重ねられるというのはゲームの楽しさの本質的なところだと言って差し支えないはずです。

 ハースストーンの場合はラダーシステムがプレイヤーに短期目標を持たせるための仕組みになっています。ただしこのラダーシステムはランクリセット後に到達経験のあるランクにまた上がるというのが短期目標として機能しづらかったり、勝率が出ず時間をかけてもランクが上がらなくなってしまった場合もこれまた短期目標として機能しづらくなってしまうなど課題も存在するシステムです。デイリークエストもプレイヤーに短期目標を持たせるための仕組みのひとつですね。

 もちろん新しいデッキの使い方を練習して習熟したり、デッキ構成をブラッシュアップして強くしたりするのを目指すのもまさに短期目標です。

 

 

②反復的でない体験

 

 要するに同じようなことばかり続くと飽き飽きしてつまらなくなってしまうということです。人間は飽きっぽい。

 カードゲームにおいては、新弾が弱く影響が少なすぎて同じような環境が長期間続く、1強環境で同じデッキとしか当たらない、どのデッキにも同じカードが入っていてそれがゲームを決めるため異なるデッキでも似たような印象になる、ドロー等でのランダム性が少なく固定化したゲーム展開ばかりになる、などが反復的な体験となります。こういったことが起きてしまうとゲームはつまらなくなります。

 

 ただ、新しい刺激があれば新鮮でいいのかというとそれもまた違って、例えば映画の場合斬新な筋書きのものよりもストーリーの大枠は王道だけど設定やキャラクターに新鮮さがあるものの方が面白いわけです。全く新しいものよりも馴染みのあるよく知ったものとだいたい同じだけどちょっとだけ違うもののほうがむしろ良い。

 ハースストーンはまさにこれで、誰も見たことのない斬新なゲームではなく、だいたいMTGだけどMTGとはちょっと違うゲームだったから良かったんですよね。

 

 

 

③コントロール

 

 念のため断っておくとこれはカードゲーム用語のデッキ分類のひとつのコントロールとは無関係です。

 

 要するにこれは自分が画面の前に存在する意義を感じられるか、自分の選択のひとつひとつが意味のあるものに感じられるか、とかそういうものです。別の言い方をすると、そもそも選択肢が与えられていなかったり、何をしても関係がなかったりするとつまらない。

 カードゲーム(に限らず対戦ゲーム)において、やり取り、相互作用が重要だと言われる理由はこれです。やり取りのないゲームは自分がゲームに参加できている気がしない。ただ相手がやりたい放題するのを指をくわえて見ているしかないのであればそのゲームから得られるのはコントロール感ではなく疎外感や無力感です。

 

スタンダード|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

 この記事は2年前にMTGにおいて実に6年ぶりとなるスタンダードの禁止カードが出された時の記事です。この記事にはなかなかに興味深いことが書かれています。

 当時最強のデッキは白青フラッシュというデッキで、これはほぼすべてのマッチアップで5割以上の勝率を叩き出しており疑う余地なく最強のデッキでした。

 しかし、当時のスタンダードに対してつまらないと不満を抱くプレイヤー達はこの白青フラッシュを問題としていませんでした。彼らの大きな不満の原因は白青フラッシュではなく霊気池の脅威デッキでした。

 霊気池の脅威デッキがどんなデッキなのかというと、上手くいくと4ターン目に10マナ以上のカードをプレイできるというデッキです。相手からすると決められたらどうしようもなく負けです。

 一方白青フラッシュは毎ターンそのマナ域での環境最高レベルのカードを叩き付け続ける典型的なミッドレンジデッキで、メインボードから霊気池の脅威への介入手段も持ち柔軟に戦うことのできるデッキでした。

 より強いデッキは白青フラッシュでした。しかし、白青フラッシュはきちんとゲームに付き合った上でフェアに勝つデッキで、一方の霊気池の脅威は相手と同じ土俵で戦わずアンフェアに勝つデッキでした。

 そして、よりプレイヤーから嫌われたのは霊気池だったのです。白青フラッシュは対戦相手をゲームから疎外しませんが霊気池の脅威は疎外しますから。

 

 僕がハースストーンを遊ばなくなった理由は、霊気池の脅威の時代にMTGを遊ばなくなった人と同じ理由でしょう。6ターン目に9マナのカードが出てくるのは4ターン目に10マナ以上のカードが出てくるのに比べればいくらかマイルドではありますが、本質的には同じことです。そこまでのゲームを順調に進めていても相手が上手くコンボを決めたならそこまでの過程は無意味になります。このようなゲームではコントロール感を持つことはできません。更に悪いことにハースストーンは質の高いAoEや回復、ヘルスの極端に高い挑発などが存在し霊気池時代のMTG以上に簡単に卓袱台返し、突然の詰みが発生するため画面の前に自分がいてひとつひとつの選択を積み重ねている意義が感じられないものになっていました。

 

 冒頭に貼った記事にハースストーンはカードのパワーレベルを抑制していくべきだという意見が紹介されていますが、僕はこれに深く同意します。

 カードパワーが低くなるとゲームが地味でつまらないものになるのでは? と思う向きもあるでしょうがこれは程度問題というものを無視した議論でしょう。要するにプレイヤーがゲームに対してコントロール感を持つのが難しくなるほどに強いカードを出すのはやめるべきだ、というのがここでの主張で、みんながベーシックのバニラを使うような地味なゲームにしろという主張はしていません。

 OTK、コストの踏み倒し、AoEといったものの強さがマイルドなレベルに留まりボードの優位を築くことの価値が高まればプレイヤーはどのカードが展開していくか、どう戦闘するかといった基本的な選択により高い価値を感じやすくなり、つまりコントロール感を得ることができます。そしてそういった範囲内でゆるやかにインフレしていき新鮮さを感じられるような新カードを出していくことは充分に可能だと考えています。

 

 インターネットを見るとゲームの環境やバランス調整に対する不満を簡単にみつけることができます。同時にそういった不満に対して「それはただのお前の好みだろう」「ただの主観だろう」「感情論だろう」という反論がなされているところも見かけます。

 しかし、僕はこういった議論には与しません。不満をよく見ていくとここに挙げた3条件のいずれかが欠けていることに対する不満であることが非常に多い。いつも同じパターンをなぞるのであればこれは「人それぞれ」というものではなく必ず気を付ける必要のある「面白い/つまらない」という感情の本質についての指摘と受け止めるべきでしょう。

 

ふたつのスタンダードGPの上位デッキまとめ

Grand Prix Lille 2018 | MAGIC: THE GATHERING

Grand Prix New Jersey 2018 | MAGIC: THE GATHERING

 

 先の週末、リール(フランス)とニュージャージーアメリカ)の2ヶ所でスタンダードのグランプリが開催されました。おそらく皆さんトップ8のデッキはチェックしていると思いますが、惜しくもトップ8には残れなかったものの上位入賞を果たしたデッキの分布がどうなっているのかまではチェックしきれていない方が多いのではないかと思います。 

  というわけで、公式で公開されているリールのトップ37とニュージャージーのトップ32、計69デッキの分布を集計してみました。

 

GPリール及びGPニュージャージーの上位デッキ分布

 

■ゴルガリミッドレンジ 18人

 

■ジェスカイコントロール 14人

・《アゾールの門口/Azor's Gateway》型 3人

・《弾けるドレイク/Crackling Drake》型 5人

・その他 6人

 

■イゼットフェニックス 8人

・ドレイクシュート型 3人

・その他 5人

 

■ボロス系 10人

・ボロス天使 6人

・非天使アグロ 3人

・タッチ青ミッドレンジ 1人

 

■白ベースセレズニア 7人

・セレズニアトークン 5人

・セレズニア天使 2人

 

■緑ベースセレズニア 4人

・《発見の道/Path of Discovery》型 2人

・呪禁《セラからの翼/On Serra's Wings》型 2人

 

■白単 3人

・純正白単 2人

・タッチ赤 1人

 

■赤単 2人

 

■青単 1人

 

■緑単 1人

・タッチ黒 1人

 

■ナヤランプ 1人

 

 

計69人

 

 

 

 

■ゴルガリミッドレンジ

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 全69デッキ中最も使用者が多かったのは案の定ゴルガリミッドレンジで、その数18でした。ただし、その18のうち13がリールでのもので、ニュージャージーのトップ32に残ったゴルガリは5人にとどまっています。トップ8についてもリールでは2人がゴルガリでトップ8に残ったもののニュージャージーではゴルガリは1人もトップ8に入ることができませんでした。後でまた言及しますが、ニュージャージーでは《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》をメインに採用した白系ミッドレンジが多く上位入賞しており、ゴルガリにとっては厳しいメタゲームだったようです。

 画像はリールでトップ8に入賞したハビエルドミンゲスのリストです。《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》と《採取+最終/Find+Finality》が3枚ずつ採用されており、同型はこのコンボで制するという意思が感じられます。そして6マナ域を《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》優先にしている都合上《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》は不採用となっています。

 

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 ゴルガリは《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》と探検クリーチャーを採用した形が主流ですが、このセスマンフィールドのリストでは《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》《探求者の従者/Seekers' Squire》が不採用となっており、代わりに2マナ域に《僧帽地帯のドルイド/Druid of the Cowl》が採用されています。ひょっとしたら今後ゴルガリの主流は探検型でなくこのマナクリ型に移行していくのかもしれません。

 ちなみに《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》を採用すべきかですが、上位入賞を果たした18のゴルガリのうち《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》採用型は15人、非採用型は3人となっており、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》採用型のほうがより支持を集めているようです。

 

 

 

■ジェスカイコントロール

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 第2勢力はこれまた案の定ジェスカイコントロールで、その数14でした。ゴルガリについて、リールでは多くのプレイヤーを上位に送り出したもののニュージャージーではそこまでぱっとしなかったということを書きましたが、ジェスカイコントロールはリールとニュージャージーの間での偏りは見られません。

 画像はニュージャージーで優勝した《アゾールの門口/Azor's Gateway》を変身させて《発展+発破/Expansion+Explosion》や《苦悩火/Banefire》のワンショットで勝利することを目指すタイプのリストです。

 そもそも《アゾールの門口/Azor's Gateway》型というだけでマニアックな感じがしますが、このリストは細部の調整もやり込みが感じられるものになっています。

 ゴルガリに完全に盤面を作られたところからでも一発で捲れる《絶滅の星/Star of Extinction》の採用。《アダントの先兵/Adanto Vanguard》や《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》をスマートに対処できる《封じ込め/Seal Away》を厚めに3枚。《悪意ある妨害/Sinister Sabotage》でなく《イオン化/Ionize》を採用しマナベースの負担を軽減。重ね引くと弱い《薬術師の眼識/Chemister's Insight》を1枚に抑えその分《予言/Divination》を採用しもっさりしにくく。

 サイドボードも《原初の潮流、ネザール/Nezahal, Primal Tide》《活力回復/Revitalize》《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》など目を引くところがいくつもありますし、自信がテフェリーデッキにも関わらず《不滅の太陽/The Immortal Sun》2枚というゴルガリに対する強烈な殺意も印象的です。

 

 

 

 

■イゼットフェニックス

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 イゼットフェニックスは計8名が上位入賞を果たしていますが、内7名はリールでのもので、ニュージャージーでは1人しか上位入賞できていません。

 画像はそのニュージャージーでただ1人ベスト8まで登り詰めたリストです。《秘蔵の縫合体/Prized Amalgam》がモダンでは大暴れして墓トロールを再禁止に追い込むほどだったにも関わらずスタンダードではいまいちぱっとしなかったように、《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》もスタンダードにおいては不安定さが目立つカードです。要するに、デッキの上のほうにいっぱいあると最強だけど下のほうに沈んでいると勝てない。なので、このように《奇怪なドレイク/Enigma Drake》《弾けるドレイク/Crackling Drake》に《最大速度/Maximize Velocity》で速攻を付けて急襲するドレイクシュートとハイブリッドして《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》に依存しない形が自分は好みです。このリストだと《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》を素早く戻すブン回りを実現させる以外に役立ちづらい《ゴブリンの電術師/Goblin Electromancer》を非採用としているのも◎。

 

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 ドレイクシュートとハイブリッドしない形の中で目を引いたのがこの《ミラーリ予想/The Mirari Conjecture》を採用したものです。まだ使ったことも使われたこともないんで実際の使い心地がどうなのかはわかりませんが、ドミナリアリミテッドではちゃんと活かせるように組めるかというハードルさえ超えられれば相当な滅茶苦茶をするボムでした。カードプールが狭く低速な現在のスタンダードでは《ミラーリ予想/The Mirari Conjecture》こそが隠れたパワーカードなのかもしれません。

 

 

 

 

 

■ボロス天使

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 ボロス天使はリールでは1人しか上位入賞できなかったもののニュージャージーではブラネルやオーウェンが使用し5人が上位入賞を果たしました。

 このブラネルのリストはメインから《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》と《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》がフル投入されている上にサイドボードには《不滅の太陽/The Immortal Sun》2枚とこれでもかというくらいにゴルガリをメタったものになっています。ニュージャージーにおいてリールほどゴルガリが活躍できなかった理由の一端が垣間見れますね。

 もともとボロス天使はアグロに強いデッキで、ゴルガリに対しても勝てるように構築されていますが、ジェスカイコントロールに対してどうなのかは気になるところです。ぱっと見の印象だとサイドボードにも《苦悩火/Banefire》のようなコントロールに強いカードが採用されておらず《アダントの先兵/Adanto Vanguard》をきっちり《封じ込め/Seal Away》されたらもう無理というふうに見えますが…。

 

 

 

■セレズニアトーク

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 セレズニアトークンはリールで2人、ニュージャージーで3人の計5人が上位入賞を果たしており、Tier2~3デッキとして存在感を放っています。

 画像のリストについては素直に綺麗に構築されてるなあという感じです。仮に自分で使うとしてもメインボードはせいぜい実質タップインランドの《開花+華麗/Flower+Flourish》を1枚森にするかもなあくらいで特に変更しないでしょう。

 

 

 

■セレズニア《発見の道/Path of Discovery》

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 上で紹介したセレズニアトークンが非常に素直な構成なのに対し、こちらのデッキは同じトークン軸のセレズニアながらかなりの異端児という印象を受けます。まさか《発見の道/Path of Discovery》が構築で使われるとは! 《発見の道/Path of Discovery》と《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》が揃った状態で《大集団の行進/March of the Multitudes》を撃つと…想像するだけで恐ろしいですね!

 このデッキの白眉はなんといってもメインからたっぷり3枚の《不滅の太陽/The Immortal Sun》を積めることでしょう。横並びデッキなので全体+1/+1の能力を活かすことができ出したその瞬間から仕事をしますし、マナクリと探検のあるデッキなので安定して6マナまで伸ばすことが可能です。他のデッキの場合「アンセムを活かす」と「6マナまで伸ばす」のどちらかは満たせないのでサイドボード止まりにせざるをえない中、ゴルガリに対してクリティカルな《不滅の太陽/The Immortal Sun》をメインから自然に採用できるというのは大きな強みです。

 全体の中ではニュージャージーで2人が入賞しただけに留まりますが、そもそも使用者の絶対数自体がほとんどいないであろう中2人がトップ32に入賞できているというのは成功と呼んでいいもののように思います。もしかしたら今後大きな注目を集める存在となるかもしれません。

 

 

 

■呪禁《セラからの翼/On Serra's Wings》

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 《蔦草牝馬/Vine Mare》や《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》といった呪禁クリーチャー、あるいは破壊不能を持てる《アダントの先兵/Adanto Vanguard》に《セラからの翼/On Serra's Wings》を貼れば勝つやろという頭の悪いコンセプトのデッキです。こちらも使用者の絶対数自体がほとんどいないであろう中ニュージャージーで2人がトップ32に入賞しています。

 対ゴルガリのお互い《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》を出し合うマッチアップで一方的に飛行絆魂を得たらイージーウィンできるわけで、見た目の頭悪そう感に反して意外に理にかなったデッキなのかもしれません。

 

 

 

■赤単

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 リールでトロフィーを手にしたのはメインから《実験の狂乱/Experimental Frenzy》4枚、《危険因子/Risk Factor》は0という赤単でした。特徴的なのはサイドボードの《宝物の地図/Treasure Map》4で、サイド後は《実験の狂乱/Experimental Frenzy》で勝つという意思が感じられます。《実験の狂乱/Experimental Frenzy》は土地が2枚めくれると止まってしまうのが欠点ですが、《宝物の地図/Treasure Map》は占術でセットできない土地を下に送ってくれます。実際、準決勝の対ゴルガリの試合では相手のライフほぼ原点、場のクロックでも大幅に負けPWまで出されているという状況から《実験の狂乱/Experimental Frenzy》と《宝物の地図/Treasure Map》の組み合わせで逆転勝利を収めています。

 《危険因子/Risk Factor》についてですが、あのカードは順調に押せているときは強烈に強いものの、受けに回るゲーム展開になってしまったり序盤の攻勢をすべてシャットアウトされライフをほぼ削れていないときなんかは酷いカードです。であるなら、ライフを押せないときでもゲームプランを作れる《実験の狂乱/Experimental Frenzy》を優先するというのは理にかなっているように思います。《実験の狂乱/Experimental Frenzy》4積みというのは多いようにも感じられますが、現代の《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》だと思えば納得がいくのではないでしょうか。

 ちなみに自分としては赤単が優勝したというのは極めて意外な結果でした。赤単は《狂信的扇動者/Fanatical Firebrand》《ギトゥの溶岩走り/Ghitu Lavarunner》《ヴィーアシーノの紅蓮術師/Viashino Pyromancer》といった戦闘力に欠けるスペックの低いカードを多く使用しており、その分地力が低く下ブレで負けやすい、要するに弱いというふうに考えていたからです。

 事実、リールでトップ37に入賞したのは優勝者の他に1人のみの計2人、ニュージャージーのトップ32に至っては0で、リール優勝という華々しい結果こそ残したものの、全体として成功したと言えるのかについては微妙なところです。

 

 

 

■青単

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 リールで準優勝したのはこれまた意外にも青単でした。とはいえこちらもまた全体として成功したと言えるのかは微妙なところです。なにしろ2つのGPの上位入賞者計69人の中で青単を使っていたのはたったの1人だけなわけですから…。

 個人的にはゴルガリの影響で《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》の価値が上がっていて、更にイゼットの影響で《溶岩コイル/Lava Coil》の価値も上がっている環境の中《大嵐のジン/Tempest Djinn》をエースにしたデッキを使うというのはかなり無謀な選択に思えますがどうなんでしょう。使ってみた結果見事にボコボコに負けて「I am not Nassif」と言う羽目にならなければいいんですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■まとめ

 

 今のスタンダードは多様性と工夫の余地があるいい環境だなというのがこうやってデッキリストを見てきての感想です。

「ゴルガリが板」なんて声もありましたが、《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》や《不滅の太陽/The Immortal Sun》が多く使われていたニュージャージーではゴルガリは1人もトップ8に入ることができませんでした。ゴルガリは前環境の赤黒のような対策されてもなお勝ち続けるような絶対的なデッキではないようです。ゴルガリと並ぶ板デッキと見られているジェスカイコントロールも、より厳しいマークを受ければ苦戦を強いられることになるでしょう。コントロールのほうがミッドレンジよりもメタられたときに弱いですし。Tier上位のデッキも相対的に地力が高いデッキではあるものの決して弱点のないデッキではありません。

 ローテーションで全体のカードパワーとゲームスピードが大きく下がった影響でこれまで構築レベルだと思われていなかったカードに光が当たるようになったというのも面白いところですね。《アゾールの門口/Azor's Gateway》《不滅の太陽/The Immortal Sun》《発見の道/Path of Discovery》《ミラーリ予想/The Mirari Conjecture》《セラからの翼/On Serra's Wings》……探せば他にもなにかあるかもしれないですし、それを見つけるのはあなたかもしれません。

みつひでwayfinder in ラヴニカのギルド

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 環境、激変。

 カラデシュ+アモンケットブロックのカードがかなり強かったため、昨年のローテーションでは「ゆうて環境変わってもティムールエネルギーとラムナプレッドが強いんでしょ」という感じで現実にもその通りでそんなに環境が大きく変わった感じはなかったんですが、今回は違います。

 強力なカラデシュ+アモンケットブロックのカードがごっそり落ちるのに対し、残るイクサランブロック+ドミナリア+M19のカードたちはそこまで強くない、というかぶっちゃけてしまうとドミナリア以外の3つはどれも弱セット。そして新たに加わるラヴニカのギルドは多色セットで強力なマルチカラーのカードたちが目白押し。全く新しいスタンダード環境の幕開けです!

 

 というわけで、最近新セットが出るたびにやっているように今回も新スタンダードのデッキを紹介していきます。

 

 

 

 

ジェスカイコントロール

4《曲がりくねる川/Meandering River》

4《蒸気孔/Steam Vents》

4《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》

4《氷河の城砦/Glacial Fortress

2《硫黄の滝/Sulfur Falls》

2《断崖の避難所/Clifftop Retreat》

2《島/Island》

2《平地/Plains》

1《山/Mountain》

1《廃墟の地/Field of Ruin》

 

4《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》

 

2《希望の夜明け/Dawn of Hope》

2《アズカンタの探索/Search for Azcanta》

3《薬術師の眼識/Chemister's Insight》

 

2《中略/Syncopate》

2《本質の散乱/Essence Scatter》

1《否認/Negate》

4《悪意ある妨害/Sinister Sabotage》

2《一瞬/Blink of an Eye》

3《稲妻の一撃/Lightning Strike》

2《裁きの一撃/Justice Strike》

2《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》

3《残骸の漂着/Settle the Wreckage》

2《浄化の輝き/Cleansing Nova》

 

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 まずは本命その1、ジェスカイコントロール

 

 《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》が《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》を始めとした相棒たちを失った今、明らかにスタンダードのベストカードは《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》です。ラヴニカのギルドの新カードを見渡してもテフェリーほどのパワーカードはないように思えます。

 青白のギルドランドがまだないというのは青白系コントロールにとっては辛いところですが、コントロールは確定タップインの痛手が比較的少ないため《曲がりくねる川/Meandering River》による代用も許容できます。

 そして、青白2色でまとめるか色を足すかですが、青白2色でまとめてしまうと新ラブルマスターこと《軍勢の戦親分/Legion Warboss》が着地してしまったときに1枚で負けてしまうため色を足さざるをえないですね。

 

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 デッキリストを見て皆さんが「何それ??」と思うのが《希望の夜明け/Dawn of Hope》でしょう。おそらくこのカードに注目している人は相当少ないのではないかと思いますが、これはコントロールのフィニッシャーに求められるものの多くを持っています。相手の余った除去に引っかからず、ライフ回復ができ、カードを引け、時間が経つごとに無限に自分を有利にしてくれます。そしてコントロール同系では実質2キルを実現してくれます。うっかり相手の《軍団の上陸/Legion's Landing》の変身を許してしまったとしてもこれが設置できていれば負けません。

 2ターン目に設置して4ターン目に起動するような展開を想像してしまうとテンポが悪く弱いカードですが、コントロールが捌き切ったあとの蓋として考えると極めて強力なカードです。

 

 

 

 

ボロス教導

4《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》

4《断崖の避難所/Clifftop Retreat》

8《平地/Plains》

6《山/Mountain》

1《ギルド魔道士の広場/Guildmages' Forum》

 

4《錆色翼の隼/Rustwing Falcon》

4《アダントの先兵/Adanto Vanguard》

4《ボロスの挑戦者/Boros Challenger》

3《サンホームの重鎮/Sunhome Stalwart》

4《軍勢の戦親分/Legion Warboss》

2《軍勢の切先、タージク/Tajic, Legion's Edge》

4《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》

1《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》

 

1《暴君への敵対者、アジャニ/Ajani, Adversary of Tyrants》

 

3《ショック/Shock》

2《稲妻の一撃/Lightning Strike》

2《溶岩コイル/Lava Coil》

2《裁きの一撃/Justice Strike》

1《苦悩火/Banefire》

 

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 次に紹介するのが本命その2、ボロス教導。

 

 誰もがとりあえず組んでみるであろうわかりやすいデッキですが、実はあまり素直に組みすぎると落とし穴にハマります。ボロス教導って、

 

①そこまで初速が速いわけではなく

②火力による押し込みも弱く

③《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》や《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》のような強力なPW、置物も存在せず

ミシュランや《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins》のような土地が存在せず土地にバリューがなく

⑤リソースを増やすことができない

 

 という特徴を持つデッキなんですよね。つまり、フラッドを受けれずコントロールに弱い。サイドボードに《強迫/Duress》や《否認/Negate》を取れないカラーでサイド後劇的に対コントロール勝率を改善させる見込みもないためこれは由々しき問題です。

 上のリストではこの問題に対し、メイン《アダントの先兵/Adanto Vanguard》4積みと《暴君への敵対者、アジャニ/Ajani, Adversary of Tyrants》《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》《苦悩火/Banefire》それぞれ1積みによって改善を試みています。

 上で書いたように青白系コントロールは《軍勢の戦親分/Legion Warboss》のことを考えるとジェスカイにせざるをえません。よって、2マナの除去は火力が担うことになり《封じ込め/Seal Away》の採用率は低いものになるでしょう。そうなると《アダントの先兵/Adanto Vanguard》は対コントロールでは1枚に《残骸の漂着/Settle the Wreckage》を切らせることができるウルトラクリティカルなカードとなります。《アダントの先兵/Adanto Vanguard》で殴って《苦悩火/Banefire》でフィニッシュ、というのがボロスが用意できる最高の対コントロールのプランです。

 

 もちろん上のリストはまだまだ荒いものです。例えば除去をどんなバランスで採用するかというのは悩ましいところです。そしてそれ以上に悩ましいのは1マナ域をどうするかという問題です。

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 上のリストでは《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》を意識して《錆色翼の隼/Rustwing Falcon》のみの採用となっていますが、教導を活かす上では1ターン目に展開できるか否かは大きな差となるのでもう少し1マナ域にスロットを割いてもいいのかもしれません。それと、《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》を意識しないのであればカードパワーが最も高いのは《ゴブリンの旗持ち/Goblin Banneret》ですし。まあ飛行のほうが教導で育てたときのバリューが高いんですけど。

 

 以下単体カード評価。

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 《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》はラヴニカのギルドの神話レアの中で最もパワフルなカードです。このカードは、

 

①出たそのターンに仕事をする。単に打点が2上がるだけでなく本来機能しないはずの教導が機能するようになることで盤面の強化にも寄与する。

②タフネス5でケツデカなので《溶岩コイル/Lava Coil》《裁きの一撃/Justice Strike》が効かず赤除去に耐性がある。《喪心/Cast Down》も効かずメインボードでこれを除去できるのは《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》と3マナ以上のカードだけ。

③いったん場に残ると教導によりどんどん盤面を有利にしていける。警戒を持つため攻防に渡り戦闘を支配できる。

 

 というわけで、即効性、除去耐性、生き残ったときの支配力のすべてを兼ね備えています。

 いろいろと弱点に言及しつつもボロスがジェスカイコントロールに次ぐ本命デッキと位置付けているのは要するにオレリアがメチャクチャに強いカードだからです。

 

 

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 実はこのカードのことは最初あまり高く評価していませんでした。新ラブルマスターとか言われていますが、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》と違ってこいつは殴るとき本人は常に2/2です。サイズ負けしたときに殴りに行けずもじもじしちゃうのはアカンやろと。

 確かに単体のカードパワーでいったらこいつはラブルマスターには及ばないかもしれません。しかし、周辺のカードの都合よさのおかげでこいつはかなりできるカードでした。

 つまり、2ターン目に教導生物を出しておくとトークンがいきなり2/2で殴れる。これは当時のラブルマスターにない強みです。

 もしも2ターン目に教導生物を出してその後3ターン目4ターン目と《軍勢の戦親分/Legion Warboss》を展開した場合、4ターン目には5体のパワー2で殴れることになります。相手の序盤の動きが悪かった場合もうそれだけで勝ちです。

 殴るとき常に2/2という欠点も《軍勢の切先、タージク/Tajic, Legion's Edge》や《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》でいくらかカバーでき、結論としてはボロス教導で使うこのカードはかなり強力なカードといえます。

 

 

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 一方《軍勢の切先、タージク/Tajic, Legion's Edge》はそこまで高い評価ではないです。能力がいっぱい付いてるしイラストもなんか金ピカでいかにも超強そうなんですが、実際のゲームではいい感じにブロッカーが立っていて殴りに行けないことも多いですし、仕事しても1回パワー3の教導として働いた上で相手の適当な2マナ生物と相討ちで終わりということが大半です。構築のデッキに採用できるくらいのカードパワーはもちろんありますが、ぶっちゃけ《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher》より少し弱いくらいのカードですね。《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》は伝説にも関わらず4枚積みたいくらいのパワーカードですがこいつはそれほどではないです。

 

 

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 教導を持つ生物がワンサイズ大きく出てくるとバリューが跳ね上がるため、色マナが許すならば1枚はデッキに入れておきたいカードです。《稲妻の一撃/Lightning Strike》を構えている相手に対して《ボロスの挑戦者/Boros Challenger》を3/4で出すなんてのは気持ちいいですね。

 

 

 

 

 

イゼットスペル

4《蒸気孔/Steam Vents》

4《硫黄の滝/Sulfur Falls》

6《島/Island》

6《山/Mountain》

 

4《奇怪なドレイク/Enigma Drake》

4《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic

1《パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parun》

 

3《イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy》

 

4《選択/Opt》

4《突破/Crash Through》

3《大将軍の憤怒/Warlord's Fury》

3《予期/Anticipate》

4《ショック/Shock》

4《稲妻の一撃/Lightning Strike》

4《溶岩コイル/Lava Coil》

2《標の稲妻/Beacon Bolt》

 

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 イゼットのスペルシナジーをしゃぶりつくすデッキです。

 《奇怪なドレイク/Enigma Drake》は終盤には当然のようにパワー2桁のハードパンチャーになり、更に《突破/Crash Through》でトランプルを得て殴りかかりますし、《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》はいったんターンが返ってこようものならあっという間にトークンを大量生成し盤面を支配します。

 上の構成ではこれでもかと除去を詰め込んでいるのでクリーチャーデッキにはほとんど負けないですね。赤除去に頼ったデッキでファッティには弱いように見せかけて《奇怪なドレイク/Enigma Drake》《標の稲妻/Beacon Bolt》《イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy》でファッティに対処できますし、トランプルがないなら《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》のトークンでチャンプし続けることもできます。

 ちょっと対クリーチャーに寄せすぎているきらいがあるので実際には少量打ち消しが入ったりしそうですね。わりとメインで動くデッキなんでそんなに打ち消しは噛み合わないんですが。

 

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 《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》はアンコモンであることが不思議なほどに強いカードです。《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》についてタフネス5でケツデカなので赤除去に耐性があって強いということを書きましたが、これもまさにその強みを持つカードです。

 同じデッキに入りそうな同じマナ域のカードに《弾けるドレイク/Crackling Drake》が存在しますが、《溶岩コイル/Lava Coil》1枚で処理されてしまうか否かというのが大きな差になるので《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》に軍配が上がります。生き残ったときの支配力も全く違うので、即座に黒除去が飛んでくるときくらいしか《弾けるドレイク/Crackling Drake》のほうが優れるタイミングはないといってしまっていいくらいですね。

 対コントロールにおいても《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》は《残骸の漂着/Settle the Wreckage》で根本的な対処ができず《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》で戻されてもトークンがテフェリーを突破してしまうため頼りになります。

 《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》について「ラヴニカのギルドで最もパワフルな神話レアだ」と書きましたが、全レアリティを含めた評価だと《つぶやく神秘家/Murmuring Mystic》がトップかもしれません。プロツアーの決勝卓に座ったプレイヤーがもりもりと鳥・イリュージョントークンを並べていたとしても全く驚きませんね。

 

 

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 《イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy》は《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》と比較されて「テフェリーと比べると微妙だな…」という評価を下されがちなカードですが、実はテフェリーと比べても優れた点がいくつかあります。

 第一に掘る速度がテフェリーよりも速い。そんなにたくさん土地を引いても仕方がないこのようなデッキではこのメリットは計り知れません。

 そして初期忠誠値がテフェリーよりも1高い。-3から入っても《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》で落とされませんし、奥義も1ターン早いです。更に、テフェリーはいったん-3してからもう一度-3を使うのに+1を2回使う必要がありますが、ラルは1回で済みます。この盤面に触れる速度の速さはゲームを左右する違いです。

 自分の中での《イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy》の評価は「テフェリーよりも弱いカード」ではなく、「白を含まない純イゼットで使えるテフェリー並みに強いカード」です。

 

 

 

 

セレズニアオールイン

4《寺院の庭/Temple Garden》

4《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》

9《平地/Plains》

3《森/Forest》

 

4《空渡りの野心家/Skymarcher Aspirant》

4《錆色翼の隼/Rustwing Falcon》

4《ハズダーの司法官/Haazda Marshal》

4《協約の魂、イマーラ/Emmara, Soul of the Accord》

4《シッセイの後裔、シャナ/Shanna, Sisay's Legacy》

4《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》

 

4《軍団の上陸/Legion's Landing》

4《苗木の移牧/Saproling Migration》

4《征服者の誇り/Pride of Conquerors》

4《議事会の裁き/Conclave Tribunal》

 

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 セレズニアはミッドレンジで組もうとしてもガジーグレアのようなシステムもなければ《ゼンディカーの代弁者、ニッサ/Nissa, Voice of Zendikar》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》連打のようなPW作戦も取れず、ただそこそこ優秀な生物を順番に出していくようなしょっぱいデッキにしかなりませんでした。しかもそのそこそこ優秀な生物に関しても《議事会の騎兵/Conclave Cavalier》や《豊潤の声、シャライ/Shalai, Voice of Plenty》は《溶岩コイル/Lava Coil》で簡単に処理されてしまいそれほど頼りにならないという体たらく。

 

 そして辿り着いた先はGTC期のナヤブリッツやSOI期の白単人間のようなオールイン系アグロです。

 

 《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》はクリーチャーを5体並べれば全体強化付きの0マナ4/4という異常なスペック。同じターンに出す1マナクリーチャーが全部フリースペルになる上にワンサイズ上がると考えてもその異常さがわかります。それを3ターン目に叩きつけてやろうというのがこのデッキの狙いです。

 

 弱いカードを多く使っているので噛み合わないとリミテッド以下のデッキになってしまう不安定さこそあるものの、ドブンのすごさはスタンダード離れしているので是非試しに回してみてほしいです。

 

 

 

 

ゴルガリミッドレンジ

4《ゴルガリのギルド門/Golgari Guildgate》

2《穢れた果樹園/Foul Orchard》

4《草むした墓/Overgrown Tomb》

4《森林の墓地/Woodland Cemetery》

11《森/Forest》

1《沼/Swamp》

 

4《茨の副官/Thorn Lieutenant》

4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》

4《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》

3《縄張り持ちのアロサウルス/Territorial Allosaurus》

4《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》

 

2《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》

2《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》

 

4《喪心/Cast Down》

4《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》

3《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt

 

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 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》、抜く勇気。

 

 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》を不採用とし確定タップインランドを多く採用することによって《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》と黒のダブルシンボルの同居を実現させたゴルガリミッドレンジです。テンポよく展開することは諦めて除去で干渉しつつ太いカードを連打していくイメージの、聞こえのいい表現をすればジャンドや黒信心の系譜のデッキです。

 

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 正直なところメインボードはややもっさりしたところがあり素晴らしいデッキという感じはしないんですが、サイドボードについてはゴルガリミッドレンジは素晴らしいです。

 マナクリを不採用としているため《煤の儀式/Ritual of Soot》の採用も肯定できますし、《強迫/Duress》から《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》《ビビアン・リード/Vivien Reid》《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》といった強烈な置物を並べる対コントロール必勝プランも用意できます。対コントロールについては《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》でPWに触りやすいというのもゴルガリのいいところですね。

 

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 ちなみに《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》ですが、《スカラベの神/The Scarab God》や《栄光をもたらすもの/Glorybringer》のような支配力は全然なく、押されているときはただブロッカーとして突っ立っているだけという具合になりがちでそんなにたいしたカードではないんですが、《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》にサイズ勝ちできるフライヤーはそれだけで価値があります。

 

 

 

 

ゴルガリアグロ

4《草むした墓/Overgrown Tomb》

4《森林の墓地/Woodland Cemetery》

7《森/Forest》

7《沼/Swamp》

 

4《生皮収集家/Pelt Collector》

4《戦墓のグール/Diregraf Ghoul》

4《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》

4《光胞子のシャーマン/Glowspore Shaman》

4《クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner》

4《真夜中の死神/Midnight Reaper》

4《納骨堂のトロール/Charnel Troll》

4《無効皮のフェロックス/Nullhide Ferox》

2《感情化粧師/Moodmark Painter

 

4《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》

 

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 こちらも《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》抜く勇気ゴルガリ

 《納骨堂のトロール/Charnel Troll》が《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》から2ターン目に出しても別に強くないため必然的にこうなるという感じですね。

 1ターン目《生皮収集家/Pelt Collector》からのブン回りはいちいちクリーチャーが太すぎて最強やんという気分にさせてくれますが、平均的な回りのときは正直そんなに強くないデッキです。なんというか先制攻撃持ってるやつが出てくると《納骨堂のトロール/Charnel Troll》と《無効皮のフェロックス/Nullhide Ferox》以外全員止まる。

 

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 1ターン目に出るか否かで勝率が全然違う強すぎるほどに強い1マナ域です。《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》越えてるかも。

 

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 2ターン目に出すと構築のカードとしてはちょっと物足りないかなくらいの性能ですが、後々《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》や《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》といった除去れなきゃ死ぬカードへの対処手段となり便利です。

 

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 デッキの中心。よく《溶岩コイル/Lava Coil》や《裁きの一撃/Justice Strike》で簡単に除去られて中心を失います。

 

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 先手4ターン目に出るとマジで強いですがトランプルがないため出るのが遅れると普通にチャンプで凌がれる平凡なファッティに成り下がります。

 

 

 

 

イゼット鎖回し

4《イゼットのギルド門/Izzet Guildgate》

1《高地の湖/Highland Lake》

4《蒸気孔/Steam Vents》

4《硫黄の滝/Sulfur Falls》

12《山/Mountain》

1《島/Island》

 

4《団体のギルド魔道士/League Guildmage》

4《戦凧の匪賊/Warkite Marauder》

4《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》

4《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix

2《厄介なドラゴン/Demanding Dragon》

2《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》

 

2《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》

 

4《ショック/Shock》

4《稲妻の一撃/Lightning Strike》

4《溶岩コイル/Lava Coil》

 

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 これまでの赤黒の流れを汲み、サイドボードに《強迫/Duress》の代わりに《否認/Negate》《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》を採用できるよう2色目は青にした赤単系ミッドレンジです。《戦凧の匪賊/Warkite Marauder》からの《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》は超エキサイティング!!

 

 と書いててアレなんですが、正直なところこのデッキはあまり良いデッキではありません。このデッキを使うなら少し重めに調整したボロスを使った方がいいでしょう。《輝かしい天使/Resplendent Angel》《正義の模範、オレリア/Aurelia, Exemplar of Justice》《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》の天使ラインを使ったりするのもいいと思いますよ。

 それでもここで紹介するのは《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》の置かれた厳しい現実のついて書くためです。

 

 まず第一に《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》がいなくなった。同じく4マナのPWとしては《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》がいますが、カーンは殴り合いのときに本当に何もしないのでメインに採用できる枚数は限られます。

 

 そしてこちらのほうがより厳しいのですが、1~2マナの生物が軒並みいなくなってしまった。《ボーマットの急使/Bomat Courier》も《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》も《キランの真意号/Heart of Kiran》も《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ/Kari Zev, Skyship Raider》もみんないなくなってしまった。

 赤の2マナ域の生物の候補はなかなかに悲惨です。《ヴィーアシーノの紅蓮術師/Viashino Pyromancer》はミッドレンジでは弱いですし、他のカードは《稲妻牝馬/Lightning Mare》《放逐紅蓮術師/Dismissive Pyromancer》《ゴブリンの扇動者/Goblin Instigator》《ゴブリンのクレーター掘り/Goblin Cratermaker》といったしょうもない奴ら。

 仕方なく他の色で2マナ域を補うにしても、2ターン目に赤以外のカードをプレイして3ターン目に鎖回しを出すためには2色ランドが初手にある必要がありますし、それに他の色から借りてこれる2マナ域もたいして強くない。上のリストでは《団体のギルド魔道士/League Guildmage》が入っていますが、このカードも別に強くはないですからね。残ったときのプレッシャーが高いほうなのでマシな部類かなくらいで。

 

 ミッドレンジでなくケルドレッドのような方向性でいくにしても《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》がいなくなったせいで《魔術師の稲妻/Wizard's Lightning》のクオリティまで下がってしまっているのが致命的です。《遁走する蒸気族/Runaway Steam-Kin》も過度な期待ができるほどではないですし。

 

 《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》についても、これまでは赤いデッキに強いカードだったはずが《溶岩コイル/Lava Coil》の登場で事情が変わってしまい、タフネス5のオレリアのほうがつえーじゃんという感じに。

 

 《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》自体はこれまでスタンダードを支配してきた実績もあり強いカードであることに疑問の余地はないんですが、とりあえず脇を固める他のカードが充実しないうちはお休みということになるんでしょうか。

みつひでwayfinder in 基本セット2019

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 基本セット2019のフルスポが出ましたね~。

 新要素が何もなくただ基本セットであろうとしている基本セットというのはM10やM11以来実に8~9年ぶりです。

 全体的な印象としては、エルダードラゴンサイクルを筆頭とした「カッコイイ系カード」や、下の環境でのサイドボード用カードが多く収録されているのが目を引くものの、スタンダードへの影響という点では少し弱めな印象を受けています。ただ、それでも何枚か注目のカードはあります。

 というわけで今回も「こんなデッキが組めそう!」というものをまとめていきます。普段はこういうものは少しの一人回しくらいはしてから書くことが多いんですが、今回載せるものはスピード重視で一人回しすらしていないレシピになります。また、《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler(DOM)》はBANされるという前提で考えたものになります(鎖回しがBANされなかったらマジで考える意義が薄すぎるため)。

 

 

 

 

マルドゥGAPPO

4《霊気拠点/Aether Hub(KLD)》

4《泥濘の峡谷/Canyon Slough(AKH)》

4《感動的な眺望所/Inspiring Vantage(KLD)》

4《秘密の中庭/Concealed Courtyard(KLD)》

2《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit(XLN)》

1《断崖の避難所/Clifftop Retreat(ISD)》

1《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel(ISD)》

3《山/Mountain(AKH)》

3《沼/Swamp(AKH)》

 

4《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner(AER)》

3《悪意の騎士/Knight of Malice(DOM)》

3《善意の騎士/Knight of Grace(DOM)》

4民兵のラッパ手》

2《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》

2《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》

4《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander(DOM)》

 

2《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》

1《死の権威、リリアナ/Liliana, Death's Majesty(AKH)》

 

1《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》

1《マグマのしぶき/Magma Spray(AKH)》

1《木端+微塵/Cut+Ribbons(AKH)》

4《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》

2《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt(XLN)》

 

 

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 スタンダードで使えるセットとしては8セット目、カードプールが最大になるタイミングにしては全体的なカードパワーは控えめな印象の基本セット2019ですが、その中に1枚ひときわ目を引くカードがありました。それがこの《民兵のラッパ手》。

 特に目玉カードというわけでもなくこっそりと紛れ込んでいるパワーカード、そして3マナ2/3というスタッツ、というところは《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》を彷彿とさせますし、3マナでP/Tの合計値が5でアドバンテージが取れるクリーチャーであるというところは《ならず者の精製屋/Rogue Refiner(AER)》を思い出させてくれます(どちらもスタンダードで禁止されたカードです!)。

 モダンの5色人間やカウンターカンパニー、レガシーのデスタクといった《霊気の薬瓶/AEther Vial(DST)》や《集合した中隊/Collected Company(DTK)》をキーカードとする軽い生物中心のデッキでの採用が大いに期待できるカードでもあります。特に《霊気の薬瓶/AEther Vial(DST)》は「マナはめっちゃ踏み倒すけど手札がなくなるとなんもしない」という性質を持つのでこういう手札の補充ができるカードとの相性は素晴らしいように思います。サイドボードしたカードを探しにいけるというのも下の環境では大きいのではないでしょうか。将来的にアンコモンながら1000円するカードになる可能性があるので50円や100円で買えるうちに買っておくことをオススメします。

 そしてスタンダードですが、残念ながら下の環境のように優秀なパワー2以下のクリーチャーには恵まれていません。《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》も《幻影の像/Phantasmal Image(MM3)》も《サリアの副官/Thalia's Lieutenant(SOI)》も《献身のドルイド/Devoted Druid》も《守護フェリダー/Felidar Guardian(AER)》も何もいない。

 そんな中で《民兵のラッパ手》で貰って嬉しいクリーチャーを探すと、なんといってもやはり第一位は《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander(DOM)》でしょう。そして2位3位は《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》と《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》。それらを全部詰め込むと必然的に上のリストのようなマルドゥカラーのミッドレンジになります。

 赤黒メインのデッキなので環境のベストカードの1つである《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》を使えること、《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner(AER)》と《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》のシナジーを使えること、サイドボードの選択肢が幅広いことなど推せるポイントは多く、なかなかに期待の持てるデッキだと思います。強かったら現代のジャンドと呼ぶことにします。

 

 

 

 

 

アブザン巻きつき蛇

3《霊気拠点/Aether Hub(KLD)》

4《まばらな木立ち/Scattered Groves(AKH)》

4《花盛りの湿地/Blooming Marsh(KLD)》

4《秘密の中庭/Concealed Courtyard(KLD)》

2《森林の墓地/Woodland Cemetery(DOM)》

1《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove(XLN)》

1《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel(DOM)》

3《森/Forest(AKH)》

3《沼/Swamp(AKH)》

 

4《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》

4《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner(AER)》

3《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》

4《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》

4《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger(RIX)》

4民兵のラッパ手》

4《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》

1《豊潤の声、シャライ/Shalai, Voice of Plenty(DOM)》

4《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》

 

3《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》

 

 《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》と《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》はどちらもパワー2以下で《民兵のラッパ手》で持ってくることができる、となれば巻きつき蛇デッキにラッパ手をタッチするというのは自然な発想でしょう。

 

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 いくらなんでもダブシンタッチはキツイということで上のリストには入れていませんが、新アジャニは奥義以外の2つの能力がどちらも《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》と相性がいいので誰か無理するマナベースに挑戦してみるのもいいかもしれません。

 

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 サイドボードの選択肢として《ビビアン・リード》はかなりのインパクトを持ちそうです。プラスでアドバンテージを稼ぎ続けるプレインズウォーカーというだけで対コントロールのサイドボードとしては充分ですが、-3が《封じ込め/Seal Away(DOM)》、《排斥/Cast Out(AKH)》、《アズカンタの探索/Search for Azcanta(XLN)》、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》、そして更には除去をサイドアウトして対処が難しくなるはずの《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer(DOM)》まで破壊できるとなるともうこいつどんだけ青白コンが憎いんだよと心配になってくるレベルです。

 

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 《民兵のラッパ手》で探せるサイドボードカードとしてはこのあたりが。特に《再利用の賢者/Reclamation Sage(M15)》は機体系デッキ、青白コン、王神など幅広くサイドインできてgood。

 

 

 

 

黒白ゾンビ

4《手付かずの領土/Unclaimed Territory(XLN)》

4《秘密の中庭/Concealed Courtyard(KLD)》

4《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel(DOM)》

2《シェフェトの砂丘/Shefet Dunes(HOU)》

11《沼/Swamp(AKH)》

 

4《戦墓のグール》

4《戦慄の放浪者/Dread Wanderer(AKH)》

4《むら気な召使い/Wayward Servant(AKH)》

4《束縛のミイラ/Binding Mummy(AKH)》

4《墓地の司令官》

4《呪われた者の王/Lord of the Accursed(AKH)》

4《死の男爵》

 

3《死が触れぬ者、リリアナ》

4《リリアナの支配/Liliana's Mastery(AKH)》

 

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 《墓所破り/Cryptbreaker(EMN)》《戦墓の巨人/Diregraf Colossus(SOI)》といったイニストラードのゾンビ達が落ちてからアモンケットのゾンビは残ったもののなかなかデッキにならなかったゾンビですが、今回ゾンビパーツが増えたことで再びスタンダードの舞台に舞い戻ることができるかもしれません。所詮部族デッキと軽く見がちですが、アモンケットのときもそう思ってたらPT優勝しましたからね。まあアモンケットのときのゾンビデッキは地上戦じゃ絶対負けないくらいの高い盤面構築能力があったし除去も優秀だったのに対してこのゾンビはただのロード連打脳筋デッキに過ぎないんですが…。

 

 新リリアナですが、なんだかんだ対コントロールでは非クリーチャーのプレッシャーというだけで価値がありますし、対クリーチャーデッキでも一応除去なんで巷で酷評されてるほど弱くはないと思います。

 

 

 

 

黒単機体

1《屍肉あさりの地/Scavenger Grounds(HOU)》

2《イフニルの死界/Ifnir Deadlands(HOU)》

22《沼/Swamp(KLD)》

 

4《戦墓のグール》

4《戦慄の放浪者/Dread Wanderer(AKH)》

4《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》

3《墓地の司令官》

4《戦慄の影/Dread Shade(DOM)》

 

3《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》

4《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》

2《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》

2《リリアナの支配/Liliana's Mastery(AKH)》

 

4《板歩きの刑/Walk the Plank(XLN)》

1《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt(XLN)》

 

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 《墓地の司令官》という構築レベルの2マナパワー3が登場したということはつまり《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》の搭乗要員が増えたということで、黒単でも機体デッキが組めるようになりました。

 タップインなので機体との相性は悪いものの《戦墓のグール》の再録も嬉しく、高いトップスピードでのビートダウンが可能です。

 

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 上のリストには採用していませんが、構築レベルのパワー3としては《呼び覚ます者イザレス》もいます。このデッキなら採用を検討してもいいでしょう。

 

 また、新カードではありませんが《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》を使えるというのはかなり大きなポイントです。上で紹介したような《民兵のラッパ手》‐《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》ラインを使うデッキに対して《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》で対処できない《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》は極めてクリティカルですからね。

 

 

 

 

剣呑バーン

4《陽焼けした砂漠/Sunscorched Desert(AKH)》

4《泥濘の峡谷/Canyon Slough(AKH)》

4《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit(XLN)》

6《山/Mountain(AKH)》

4《沼/Swamp(AKH)》

2《イフニルの死界/Ifnir Deadlands(HOU)》

 

4《ヴィーアシーノの紅蓮術士》

 

4《ゴンティの策謀/Gonti's Machinations(AER)》

4《ショック/Shock(AER)》

4《稲妻の一撃/Lightning Strike(XLN)》

4《木端+微塵/Cut+Ribbons(AKH)》

4《君主の一噛み》

4《魔術師の稲妻/Wizard's Lightning(DOM)》

4《炎の鞭打ち/Flame Lash(KLD)》

4《剣呑な交渉/Sword-Point Diplomacy(XLN)》

 

 

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 セットが増えてなにげなく実用レベルの本体火力が増えていくと気付いたら組めるようになっているデッキ、それがバーン。

 活躍できるかは完全に環境次第で、最初に紹介したマルドゥGAPPOのような除去が多くてクロックの高くないデッキが環境に多いならば良いデッキになる一方、ゴリゴリ高いクロックを押し付けてくるデッキが多いと悲惨なことに。

 オススメデッキではないですが、一切意識していないと突然当たってボコボコにされるかもしれません。

 

 

 

 

 

番外編 テゼレットについて

 

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 忠誠度をプラスしながらブロッカーを出し続けることができ、更には状況が整うと毎ターン2ドローしだすという恐ろしい性能のプレインズウォーカーで、巷の評価も極めて高いです。

 が、ちょっと待ってください。5マナのカードで毎ターン1/1飛行を1体ずつ生み出すだけというのははっきり言って現代マジックでは遅すぎます。

 そしてドローですが、確かに毎ターン2ドローは滅茶苦茶に強い。しかしそのためには3つのアーティファクトが必要であり、構築段階で意識してデッキにアーティファクトを入れておく必要があります。

 ですが、今のスタンダードに存在する軽くて強いアーティファクトは《ボーマットの急使/Bomat Courier(KLD)》《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》など攻撃的な性能のものばかりでコントロールに向いた性能のものは全くありません。

 そのため、現状テゼレットを活かせるデッキを組むのは極めて困難です。これはちょうど《ランプのジン、ザヒード/Zahid, Djinn of the Lamp(DOM)》が最初は高く評価されたものの今では誰も使っていないのと同じです。

 テゼレットを活かすために弱いカードを入れてデッキ全体のパワーを落とすくらいなら、最初からテゼレットを諦めて《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》を使うのがいいでしょう。