みつひでwayfinder in 基本セット2019

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 基本セット2019のフルスポが出ましたね~。

 新要素が何もなくただ基本セットであろうとしている基本セットというのはM10やM11以来実に8~9年ぶりです。

 全体的な印象としては、エルダードラゴンサイクルを筆頭とした「カッコイイ系カード」や、下の環境でのサイドボード用カードが多く収録されているのが目を引くものの、スタンダードへの影響という点では少し弱めな印象を受けています。ただ、それでも何枚か注目のカードはあります。

 というわけで今回も「こんなデッキが組めそう!」というものをまとめていきます。普段はこういうものは少しの一人回しくらいはしてから書くことが多いんですが、今回載せるものはスピード重視で一人回しすらしていないレシピになります。また、《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler(DOM)》はBANされるという前提で考えたものになります(鎖回しがBANされなかったらマジで考える意義が薄すぎるため)。

 

 

 

 

マルドゥGAPPO

4《霊気拠点/Aether Hub(KLD)》

4《泥濘の峡谷/Canyon Slough(AKH)》

4《感動的な眺望所/Inspiring Vantage(KLD)》

4《秘密の中庭/Concealed Courtyard(KLD)》

2《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit(XLN)》

1《断崖の避難所/Clifftop Retreat(ISD)》

1《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel(ISD)》

3《山/Mountain(AKH)》

3《沼/Swamp(AKH)》

 

4《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner(AER)》

3《悪意の騎士/Knight of Malice(DOM)》

3《善意の騎士/Knight of Grace(DOM)》

4民兵のラッパ手》

2《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》

2《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》

4《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander(DOM)》

 

2《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》

1《死の権威、リリアナ/Liliana, Death's Majesty(AKH)》

 

1《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》

1《マグマのしぶき/Magma Spray(AKH)》

1《木端+微塵/Cut+Ribbons(AKH)》

4《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》

2《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt(XLN)》

 

 

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 スタンダードで使えるセットとしては8セット目、カードプールが最大になるタイミングにしては全体的なカードパワーは控えめな印象の基本セット2019ですが、その中に1枚ひときわ目を引くカードがありました。それがこの《民兵のラッパ手》。

 特に目玉カードというわけでもなくこっそりと紛れ込んでいるパワーカード、そして3マナ2/3というスタッツ、というところは《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》を彷彿とさせますし、3マナでP/Tの合計値が5でアドバンテージが取れるクリーチャーであるというところは《ならず者の精製屋/Rogue Refiner(AER)》を思い出させてくれます(どちらもスタンダードで禁止されたカードです!)。

 モダンの5色人間やカウンターカンパニー、レガシーのデスタクといった《霊気の薬瓶/AEther Vial(DST)》や《集合した中隊/Collected Company(DTK)》をキーカードとする軽い生物中心のデッキでの採用が大いに期待できるカードでもあります。特に《霊気の薬瓶/AEther Vial(DST)》は「マナはめっちゃ踏み倒すけど手札がなくなるとなんもしない」という性質を持つのでこういう手札の補充ができるカードとの相性は素晴らしいように思います。サイドボードしたカードを探しにいけるというのも下の環境では大きいのではないでしょうか。将来的にアンコモンながら1000円するカードになる可能性があるので50円や100円で買えるうちに買っておくことをオススメします。

 そしてスタンダードですが、残念ながら下の環境のように優秀なパワー2以下のクリーチャーには恵まれていません。《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》も《幻影の像/Phantasmal Image(MM3)》も《サリアの副官/Thalia's Lieutenant(SOI)》も《献身のドルイド/Devoted Druid》も《守護フェリダー/Felidar Guardian(AER)》も何もいない。

 そんな中で《民兵のラッパ手》で貰って嬉しいクリーチャーを探すと、なんといってもやはり第一位は《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander(DOM)》でしょう。そして2位3位は《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》と《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury(KLD)》。それらを全部詰め込むと必然的に上のリストのようなマルドゥカラーのミッドレンジになります。

 赤黒メインのデッキなので環境のベストカードの1つである《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》を使えること、《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner(AER)》と《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》のシナジーを使えること、サイドボードの選択肢が幅広いことなど推せるポイントは多く、なかなかに期待の持てるデッキだと思います。強かったら現代のジャンドと呼ぶことにします。

 

 

 

 

 

アブザン巻きつき蛇

3《霊気拠点/Aether Hub(KLD)》

4《まばらな木立ち/Scattered Groves(AKH)》

4《花盛りの湿地/Blooming Marsh(KLD)》

4《秘密の中庭/Concealed Courtyard(KLD)》

2《森林の墓地/Woodland Cemetery(DOM)》

1《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove(XLN)》

1《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel(DOM)》

3《森/Forest(AKH)》

3《沼/Swamp(AKH)》

 

4《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》

4《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner(AER)》

3《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》

4《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》

4《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger(RIX)》

4民兵のラッパ手》

4《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》

1《豊潤の声、シャライ/Shalai, Voice of Plenty(DOM)》

4《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》

 

3《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》

 

 《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》と《歩行バリスタ/Walking Ballista(AER)》はどちらもパワー2以下で《民兵のラッパ手》で持ってくることができる、となれば巻きつき蛇デッキにラッパ手をタッチするというのは自然な発想でしょう。

 

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 いくらなんでもダブシンタッチはキツイということで上のリストには入れていませんが、新アジャニは奥義以外の2つの能力がどちらも《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》と相性がいいので誰か無理するマナベースに挑戦してみるのもいいかもしれません。

 

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 サイドボードの選択肢として《ビビアン・リード》はかなりのインパクトを持ちそうです。プラスでアドバンテージを稼ぎ続けるプレインズウォーカーというだけで対コントロールのサイドボードとしては充分ですが、-3が《封じ込め/Seal Away(DOM)》、《排斥/Cast Out(AKH)》、《アズカンタの探索/Search for Azcanta(XLN)》、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》、そして更には除去をサイドアウトして対処が難しくなるはずの《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer(DOM)》まで破壊できるとなるともうこいつどんだけ青白コンが憎いんだよと心配になってくるレベルです。

 

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 《民兵のラッパ手》で探せるサイドボードカードとしてはこのあたりが。特に《再利用の賢者/Reclamation Sage(M15)》は機体系デッキ、青白コン、王神など幅広くサイドインできてgood。

 

 

 

 

黒白ゾンビ

4《手付かずの領土/Unclaimed Territory(XLN)》

4《秘密の中庭/Concealed Courtyard(KLD)》

4《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel(DOM)》

2《シェフェトの砂丘/Shefet Dunes(HOU)》

11《沼/Swamp(AKH)》

 

4《戦墓のグール》

4《戦慄の放浪者/Dread Wanderer(AKH)》

4《むら気な召使い/Wayward Servant(AKH)》

4《束縛のミイラ/Binding Mummy(AKH)》

4《墓地の司令官》

4《呪われた者の王/Lord of the Accursed(AKH)》

4《死の男爵》

 

3《死が触れぬ者、リリアナ》

4《リリアナの支配/Liliana's Mastery(AKH)》

 

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 《墓所破り/Cryptbreaker(EMN)》《戦墓の巨人/Diregraf Colossus(SOI)》といったイニストラードのゾンビ達が落ちてからアモンケットのゾンビは残ったもののなかなかデッキにならなかったゾンビですが、今回ゾンビパーツが増えたことで再びスタンダードの舞台に舞い戻ることができるかもしれません。所詮部族デッキと軽く見がちですが、アモンケットのときもそう思ってたらPT優勝しましたからね。まあアモンケットのときのゾンビデッキは地上戦じゃ絶対負けないくらいの高い盤面構築能力があったし除去も優秀だったのに対してこのゾンビはただのロード連打脳筋デッキに過ぎないんですが…。

 

 新リリアナですが、なんだかんだ対コントロールでは非クリーチャーのプレッシャーというだけで価値がありますし、対クリーチャーデッキでも一応除去なんで巷で酷評されてるほど弱くはないと思います。

 

 

 

 

黒単機体

1《屍肉あさりの地/Scavenger Grounds(HOU)》

2《イフニルの死界/Ifnir Deadlands(HOU)》

22《沼/Swamp(KLD)》

 

4《戦墓のグール》

4《戦慄の放浪者/Dread Wanderer(AKH)》

4《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》

3《墓地の司令官》

4《戦慄の影/Dread Shade(DOM)》

 

3《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》

4《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza(DOM)》

2《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》

2《リリアナの支配/Liliana's Mastery(AKH)》

 

4《板歩きの刑/Walk the Plank(XLN)》

1《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt(XLN)》

 

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 《墓地の司令官》という構築レベルの2マナパワー3が登場したということはつまり《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》の搭乗要員が増えたということで、黒単でも機体デッキが組めるようになりました。

 タップインなので機体との相性は悪いものの《戦墓のグール》の再録も嬉しく、高いトップスピードでのビートダウンが可能です。

 

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 上のリストには採用していませんが、構築レベルのパワー3としては《呼び覚ます者イザレス》もいます。このデッキなら採用を検討してもいいでしょう。

 

 また、新カードではありませんが《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》を使えるというのはかなり大きなポイントです。上で紹介したような《民兵のラッパ手》‐《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》ラインを使うデッキに対して《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra(RIX)》で対処できない《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》は極めてクリティカルですからね。

 

 

 

 

剣呑バーン

4《陽焼けした砂漠/Sunscorched Desert(AKH)》

4《泥濘の峡谷/Canyon Slough(AKH)》

4《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit(XLN)》

6《山/Mountain(AKH)》

4《沼/Swamp(AKH)》

2《イフニルの死界/Ifnir Deadlands(HOU)》

 

4《ヴィーアシーノの紅蓮術士》

 

4《ゴンティの策謀/Gonti's Machinations(AER)》

4《ショック/Shock(AER)》

4《稲妻の一撃/Lightning Strike(XLN)》

4《木端+微塵/Cut+Ribbons(AKH)》

4《君主の一噛み》

4《魔術師の稲妻/Wizard's Lightning(DOM)》

4《炎の鞭打ち/Flame Lash(KLD)》

4《剣呑な交渉/Sword-Point Diplomacy(XLN)》

 

 

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 セットが増えてなにげなく実用レベルの本体火力が増えていくと気付いたら組めるようになっているデッキ、それがバーン。

 活躍できるかは完全に環境次第で、最初に紹介したマルドゥGAPPOのような除去が多くてクロックの高くないデッキが環境に多いならば良いデッキになる一方、ゴリゴリ高いクロックを押し付けてくるデッキが多いと悲惨なことに。

 オススメデッキではないですが、一切意識していないと突然当たってボコボコにされるかもしれません。

 

 

 

 

 

番外編 テゼレットについて

 

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 忠誠度をプラスしながらブロッカーを出し続けることができ、更には状況が整うと毎ターン2ドローしだすという恐ろしい性能のプレインズウォーカーで、巷の評価も極めて高いです。

 が、ちょっと待ってください。5マナのカードで毎ターン1/1飛行を1体ずつ生み出すだけというのははっきり言って現代マジックでは遅すぎます。

 そしてドローですが、確かに毎ターン2ドローは滅茶苦茶に強い。しかしそのためには3つのアーティファクトが必要であり、構築段階で意識してデッキにアーティファクトを入れておく必要があります。

 ですが、今のスタンダードに存在する軽くて強いアーティファクトは《ボーマットの急使/Bomat Courier(KLD)》《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger(KLD)》《キランの真意号/Heart of Kiran(AER)》など攻撃的な性能のものばかりでコントロールに向いた性能のものは全くありません。

 そのため、現状テゼレットを活かせるデッキを組むのは極めて困難です。これはちょうど《ランプのジン、ザヒード/Zahid, Djinn of the Lamp(DOM)》が最初は高く評価されたものの今では誰も使っていないのと同じです。

 テゼレットを活かすために弱いカードを入れてデッキ全体のパワーを落とすくらいなら、最初からテゼレットを諦めて《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》を使うのがいいでしょう。